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What is the correct way to raise a cat? Explanation of necessary advance preparations and mindset

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What is the correct way to raise a cat? Explanation of necessary advance preparations and mindset
ネコちゃんが安心安全に過ごせ、飼い主さんと一緒に楽しく暮らしていけるよう、ネコちゃんを迎え入れる前に環境を整えておく必要があります。ここでは、迎え入れる前の心構えから必要な準備、迎え入れた後のごはんやお世話についてなど、知っておきたい情報を幅広くご紹介します。(最終更新日2024年5月9日)

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Supervision

Dr. Kunimitsu Masuda, Director of Masuda Animal Clinic
Masuda Animal Clinic
3-918-9 Mukuya, Shimada City, Shizuoka Prefecture

Graduated from the Department of Veterinary Medicine, Faculty of Veterinary Medicine, Kitasato University. He is a part-time lecturer at the Renaissance Pet Academy, a vocational school, and a lecturer at the Japan Pet Massage Association and the Pet Medicinal Food International Association. Participated in rescue activities for animals affected by the Great East Japan Earthquake. In addition to general Western medicine, work on animal health through acupuncture and moxibustion treatment, Chinese medicine, pet massage, etc.

ネコちゃんを迎える上での心構え

ネコちゃんは安全で健康に暮らせる環境だと比較的長く生きる動物で、中には20年前後生きる長寿の猫種もいます。そのため、ネコちゃんを飼う上では、一生をかけて面倒をみる覚悟が必要です。
食事はもちろん、排泄物の処理、安全管理、病気の予防、避妊・去勢など、ネコちゃんを飼う上で必要となるすべてが、飼い主さんの責任となります。
ネコちゃんと一緒に暮らす毎日はとても素敵なものですが、ネコちゃんについてきちんと理解せずに飼いはじめると、ネコちゃんも飼い主さんもつらい思いをすることもあります。飼う前にきちんと情報を集めた上で、本当に飼うかどうかを十分に検討しましょう。

<ネコちゃんを飼えなくなる主なケース>
・転勤の際に引越し先がペット禁止だった場合
・家族に猫アレルギーが出た場合
・近所から苦情が入った場合
・ペット禁止の集合住宅の場合
・子猫が多く生まれたものの全頭育てることが不可能な場合

ネコちゃんに出会う方法は?

ネコちゃんと出会う方法は、さまざまです。
ネコちゃんを購入する場合は、動物取り扱い業の登録をしているショップで、かつきちんと動物に配慮した管理をしているショップから購入するようにしましょう。

<ネコちゃんの主な入手先と注意点>
・ペットショップ
早い時期に親猫や兄弟猫から引き離されている場合や長期間展示されている子猫は、社会経験が不足している場合もあります。スタッフに飼育期間や飼育環境などを確認し、ワクチン接種など病気予防や健康管理も万全なショップを選びましょう。

・ブリーダー
子猫の健康に気遣い愛情を持って接しているのはもちろん、食事とトイレの場所が区別された清潔な環境であり、親猫や兄弟猫、さまざまな人間とも接触する機会が多いところを選びましょう。さらに、親猫の性格が良く病気予防など健康管理も万全なところがオススメです。なかには劣悪な環境で飼育する営利目的で大量生産タイプのブリーダーもいるので注意が必要です。

・動物愛護施設
動物愛護施設では、スタッフがあなたのライフスタイルや生活環境に合うネコちゃんをアドバイスしてくれます。またネコちゃんの譲渡の際には、去勢・避妊やしつけ講習会参加などの条件が伴う場合が少なくありません。ネコちゃんによっては精神的に不安定な場合や保護生活が長いと新しい環境に慣れにくい面もあるため、十分に注意しましょう。

・里親募集
里親募集を通じてネコちゃんを迎え入れる場合、個人レベルのやりとりが中心になるため、譲渡条件などを最初に確認してトラブルがないようにしましょう。提示されている内容だけでなく、実際の子猫を自分の目で見て、飼育環境や飼育状態など納得できるかどうか判断することが大切です。

・捨て猫
捨て猫を拾った場合、病気などに感染しているネコちゃんも多いため、まずは動物病院で健康診断を受けましょう。

ネコちゃんを迎え入れる際の注意点

ネコちゃんを迎え入れる際には、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。ここでは、ネコちゃんを迎え入れる際の主な注意点を2つご紹介します。

 

ライフスタイルにあった猫種かどうかを確認しておく

ネコちゃんを迎え入れる際は、飼い主さんのライフスタイルに合った猫種かどうかをあらかじめ確認しておきましょう。
運動量が多く活発なタイプ、おっとりしたマイペースタイプ、友好的で人懐っこいタイプなど、猫種によってさまざまな特性を持っています。そのため、飼い主さんがネコちゃんとどのように暮らしたいかだけでなく、ご自身がお手入れや遊びに割ける時間を踏まえて、無理なく飼える猫種を選ぶことが大切です。

また、長毛種か短毛種かも重要なポイントです。長毛種は見た目が優雅で気品がありますが、放っておくとすぐ被毛が絡まり、抜け毛も目立ちます。毛づくろいの際に飲み込む毛玉を減らすためにも、より頻繁にブラッシングをする必要があります。その他、フードの食べこぼしや水、排泄物などが毛につきやすいです。そのため、都度拭き取ったり、被毛をカットする必要がある
ことも頭に入れておきましょう。

 

ネコちゃんにあった飼育環境を用意できるかを確認しておく

ネコちゃんにとって安全・安心な環境を用意できるかも確認しておきましょう。
昔は放し飼いが多く見られましたが、現在では室内飼いが基本です。活発なネコちゃんだけでなく、どの子にもある程度の運動量が必要なため、家の中にネコちゃんが十分に動き回れる広さがあるか確認してください。また、留守番や目を離した時の脱走や事故を防げるよう、ケージ・サークルを設置できるスペースも必要です。

ネコちゃんを迎える際の準備は?

ネコちゃんを迎える前に必要なグッズを用意し、高さのある遊び場や隠れ家的なスペースなど、ネコちゃんが快適に暮らせる環境を整えておきましょう。
ここでは、ネコちゃんを迎える前に準備しておきたいグッズとお部屋の整え方について説明します。

 

準備しておきたいグッズ

·bed
ネコちゃんが安心して寝たり、くつろげそうなスペースにベッドを用意しましょう。日当たりのよい場所や外を見ることを楽しいと感じるネコちゃんが多いので、窓辺に設置するのもオススメです。

・トイレ用品
ネコちゃん用のトイレと猫砂を用意しましょう。多頭飼いの場合「ネコちゃんの頭数+1個」用意するのがベスト。トイレを多めに用意することで、他のネコちゃんと同じトイレが嫌な子が排泄を我慢したり、粗相をしたりすることを防ぐことができます。また、ネコちゃんによってトイレや砂の好みがあるので、最初はさまざまなものを試してみるのもオススメです。

・高いところで休めるスペース
上下運動ができるタワーや高さのあるサークルなどがあると、運動不足の解消に有効です。また、ネコちゃんには外敵から身を守る習性があり、部屋を見渡せる高い場所を好む傾向があるため、ネコちゃんが安全に登れる高い場所を作ってあげましょう。

・ひとりになれるスペース
ひとりになれるスペースを作ってあげることで、ネコちゃんが気持ちを落ち着かせたり、怖いものから逃げたりすることができます。棚の下段やベッド下の一角など狭い場所・部屋の隅に段ボールを置くなどの工夫をして、ネコちゃんがひとりになれるスペースを作ってあげましょう。

·toy
飼い主さんが一緒に遊んであげられる”じゃらし”や、ひとりでも遊べるボールなど、いろいろな種類のおもちゃを用意してあげましょう。遊ぶときは十分なスペースを確保してケガをしないように注意してください。

・爪とぎ
家具や壁などが傷つかないためにも爪とぎを用意しましょう。爪を研ぐということはお手入れだけでなく、においや傷をつけるマーキング、ストレス発散の意味もあります。

・フード、食器
毎日与えるごはんと一緒にネコちゃん用の食器も用意しておきましょう。おやつは対象年齢のものを用意し、与えすぎないように注意が必要です。猫草も合わせて用意してあげるのもオススメです。

·carry
お家に連れてくる時や動物病院へ行く時などに使用します。「病院など苦手な場所に行く時に入るもの」と思ってしまうと、キャリーを見ると逃げるようになってしまうことも。おやつをあげる場所にするなど、嫌いにならない工夫をしましょう。災害時の避難にも使うため、もしもの時に備えて、キャリーには慣れさせておきましょう。

・お手入れ用品
ネコちゃんは自分でグルーミングをしますが、グルーミングの際に飲み込んだ毛玉が消化器官に残って吐き気や胃腸の不調につながる毛球症を引き起こすことがあります。汚れを取り切れない場所から皮膚炎になることもあるため、ブラシやコームなどの基本的なお手入れ用品は用意しておきましょう。

・サークル、ケージ
留守番やネコちゃんが苦手な人の来客に備えて、サークルやケージを用意しましょう。興奮してしまったネコちゃんを休ませたいときにも、区切られたスペースがあると便利です。

・首輪
万が一、迷子になった時や災害時の目印として役立つのが首輪です。首輪を嫌がるネコちゃんも多いですが、小猫のうちなら慣れやすいため、お迎えしたタイミングでつけるようにしましょう。もしどこかに引っかかっても大丈夫なよう、力が加わると外れるタイプがオススメ。鈴付きのものも多いため、お家の中で姿が見えない時でも見つけやすくなります。

 

ネコちゃんのためのお部屋の整え方

好奇心旺盛なネコちゃんは思いがけない物で遊んだり噛んだりするため、あらかじめネコちゃん目線でお家を整理しておくことが大切です。
猫のやわらかい肉球を傷つけてしまう可能性のある尖ったもの、誤飲しがちな糸くずやビニール、ほこりなどは取り除いておきましょう。じゃれついてかじることが多く、感電の危険があるコード類はカバーをかけておくことをオススメします。

特に子猫の場合、好奇心旺盛でとても身軽なため、走り回ったりジャンプしたり、いろんなところに登ったりします。そのため、壊れやすいものは片付け、倒れやすいものは固定するなど、事故にならないよう対策をとっておくことが大切です。落として割れると困る物や、大切な物はネコちゃんの手が届かないところにしまう、傷つけられたくないお気に入りの家具や本、洋服などは別の部屋に移動させておきましょう。

また、ネコちゃんの爪を研ぐ習性にも配慮しておく必要があります。用意した爪とぎがあっても、壁や家具などで爪を研ぐネコちゃんは少なくありません。そのため、爪とぎを複数用意しておく・爪研ぎをしてほしくない場所には保護シートを張っておくなどの対策をしておきましょう。

\愛猫の室内飼いのコツはこちら/

室内飼いのコツ

ネコちゃんが毛づくろいをするのはなぜ?

ネコちゃんは、1日の多くの時間を毛づくろい(グルーミング)に費やします。ここでは、ネコちゃんが毛づくろいを行う主な3つの理由について説明します。

 

健康維持

ネコちゃんが毛づくろいを行う最大の目的は、健康維持のためです。ざらざらとした舌で毛をなめることによって汚れや毛のもつれを取り除き、皮膚病やノミなどから身を守っています。また、暑い季節は毛づくろいを行うことによって唾液で毛が濡れ、唾液の水分が蒸発することで体温を下げる効果あります。

 

ストレス緩和

知らない人が来た時、どこかから落ちてしまった時などに行う毛づくろいは、ストレス緩和の効果があります。このような場合の毛づくろいを「転移行動」といいます。

 

愛情表現

一緒に育ったネコちゃん同士がお互いになめ合うのは、相手への信愛を示す行動です。
先住ネコちゃんが新入りネコちゃんのグルーミングを始めたら、相手を受け入れたサインだと考えていいです。
なお、親のネコちゃんが子どもをグルーミングしている場合は、汚れをとって排泄を促す意味もあります。

あまりにも過剰に毛づくろいをするようなら、何らかの不調を抱えているか、緊張や不安による強いストレスを感じている可能性があります。一時的であれば過度に心配する必要はありませんが、長引く場合は皮膚炎などを起こすことも多いため、早めに動物病院へ連れていきましょう。

ネコちゃんに留守番させるには?

ネコちゃんは、単独行動を好む動物です。そのため、健康な成猫なら1日程度の留守番は可能です。ただし、留守番中のネコちゃんを危険から守る工夫は必要不可欠です。

特に大切なのは、温度管理です。ネコちゃんは自分にとって心地よい場所を探すのが得意ですが、締め切った室内では逃げ場が限られるため、エアコンを使って快適な室温に調整してから出掛けましょう。エアコンをタイマーにしていると、万が一帰りが遅くなったときのリスクが高いため、長時間留守にするときはエアコンをつけっぱなしにするのがオススメです。また、ネコちゃん自身で温度調節ができるよう、ベッドやブランケットなどのひんやり・あったかアイテムを用意しておいてあげるとなお良いです。
また、ネコちゃんは好奇心が強く、ふれてほしくないものや危険な場所に近づくことがあります。仕事や通学などで日中留守番をさせる時は、いたずらを防止する環境をつくることも留守番中のネコちゃんを守ることにつながります。触ったり、口に入れたりしてほしくない物は事前に片付けておきましょう。
まだお留守番に慣れないネコちゃんの場合、キャリーなどに入れて一緒におでかけするのも良いですが、狭い場所で長時間動きを制限されると、ネコちゃんは大きなストレスを感じてしまいます。一緒におでかけする必要がある場合、できるだけ短い時間で帰宅するか、キャリーの中で動けるサイズのものを選ぶようにしましょう。

ごはんの与え方のポイント

生後3週間くらいまではネコちゃん用のミルクを1日8回、2時間から4時間おきに飲ませてください。乳歯が生え始めたら少しずつやわらかいフードへとシフトします。子猫用のウェットフード、もしくはドライフードをお湯でふやかしたものを1日6回、3時間から6時間おきに与えましょう。

乳歯が生えそろったら、「総合栄養食」の記載があるフードを、月齢・年齢に合わせて与えてください。ネコちゃんの中には、食事を数回に分けて食べる子や、偏食ぎみで好きなものばかり食べる子もいます。食事の量や内容が偏ると健康に影響がでることもありますが、総合栄養食はバランスよく必要な栄養素が含まれているため安心です。

また、日頃の食事で補いきれない栄養は、おやつで補う方法もあります。与え方や量には気を付けなければいけませんが、与えるとネコちゃんも喜んでくれて、コミュニケーションにもつながるので、おやつも与えてあげましょう。

なお、人間の食べ物を安易に与えるのは危険です。ここでは、ネコちゃんに与えてはいけない食べ物と注意が必要な食べ物についてご紹介します。

<主な与えてはいけない食べ物>
・ネギ類
・チョコレート
・生のタコ、イカ、エビ
・貝類
・アルコール類
・香辛料

万が一、上記の食べ物をネコちゃんが食べてしまった場合、食中毒やアレルギー症状を引き起こし、重症化すると死に至る危険もあります。そのため、ネコちゃんが絶対に口にしないよう、これらの食べ物はネコちゃんの近くに置かないようにしてください。

<注意が必要な食べ物>
・卵(生卵はサルモネラ菌による食中毒の危険があるため、加熱して与える)
・牛乳、ヨーグルトなど乳製品(消化の面やカロリーの面から、無糖・低脂肪、無脂肪の物を少量にする)
・生野菜(消化不良を起こしやすいので、加熱が基本)

避妊・去勢手術は必要?

まだ子猫だと思っていたのに、気がついたら妊娠していた…という話もよくあります。生まれた子の里親が見つかればいいですが、「もらってください」などと書いて捨てるのは、100万円以下の罰金となる犯罪です。飼うことができない命を増やさないためにも、子猫のうちに去勢・避妊を検討しましょう。

ネコちゃんの避妊・去勢手術を行うかどうかは、メリット・デメリットを踏まえて判断する必要があります。

■メスのネコちゃんの避妊手術 メリット・デメリット

メリット デメリット
・望まない妊娠の防止
・生殖器系の病気やホルモンに関連する病気の予防
・発情期に起こる問題行動や食欲減退による悩みが減る
・繁殖行動ができなくなる
・手術費用がかかる
・手術時の全身麻酔による身体への負担がかかる

■オスのネコちゃんの去勢手術 メリット・デメリット

メリット デメリット
・生殖器系の病気やホルモンに関連する病気の予防
・発情によるストレス、トラブルが減る
・臭いスプレー(マーキング)で悩まされることが減る
・繁殖行動ができなくなる
・手術時の全身麻酔による身体への負担がかかる
・手術費用がかかる

ネコちゃんにどのように過ごしてほしいか、どうすれば一緒に幸せな生活が送れるかをよく考えた上で、手術の有無を決める必要があります。
手術をする場合は、生後6ヵ月頃の初めての発情期を迎える前に行うのが一般的です。

ワクチン接種は必要?

ネコちゃんを飼うときは、まず動物病院で健康診断をして全身のチェックをし、感染症を予防するワクチンを接種する必要があります。室内で暮らすネコちゃんは屋外で暮らすネコちゃんに比べて感染症のリスクは低いものの、人を介して感染する可能性はゼロではありません。そのため、完全室内飼育であっても、感染症のワクチンは接種するのがオススメです。また、ノミ・ダニなどの予防も獣医師に相談して、きちんと対策をとっておきましょう。

ワクチン接種のタイミングは動物病院によって多少異なりますが、生後8週間頃に1回、生後12週間頃に1回、それ以降は年に1回のペースで混合ワクチンを接種するのが一般的です。かかりつけの獣医師と相談の上、適切なタイミングで行うようにしましょう。

ワクチン接種によって予防できる主な病気は下記のとおりです。

・猫ウイルス性鼻気管支炎
猫のインフルエンザとも言われる鼻水などが出る感染症。子猫が感染すると致命傷になることもあります。

・猫カリシウイルス感染症
くしゃみ・鼻水・せき・発熱などの症状があり、猫風邪と呼ばれる感染症の一種。子猫が感染すると致命傷になることもあります。

・猫汎白血球減少症(ねこはんはっけっきゅうげんしょうしょう)
血液中の白血球が極端に減少する死亡率の高いウイルスによる感染症です。

ネコちゃんを飼うためにかかる費用は?

ネコちゃんは命ある生き物であるため、飼うとなるとさまざまな費用がかかります。
一般社団法人ペットフード協会「令和4年 全国犬猫飼育実態調査」によると、ネコちゃんの一生にかかる費用は平均264万6,956円といわれています。
この調査をもとに、ここではネコちゃんを飼う上でかかる費用について、1つずつみていきましょう。

 

初期費用

ネコちゃんを迎える際には、生体購入にかかる費用以外にもさまざまな費用がかかります。
初期費用としてかかる主な費用は下記のとおりです。

・ネコちゃんの生体購入費
ネコちゃんをペットショップやブリーダーから、保護猫団体などから譲り受けた場合に発生する費用のことです。ペットショップやブリーダーから購入した場合の平均費用は18万5,201円、保護猫団体や保健所、知人などから譲渡された場合にかかる平均費用は4,086円といわれています。

・各種飼育グッズ代
ベッド、トイレ用品、おもちゃ、お手入れ用品、サークル、首輪、キャリ、食器類など飼育するうえで必要なグッズを揃えるためにかかる費用のこと。ネコちゃんを飼い始める際にかかる費用の平均は2万円程といわれています。

・避妊&去勢手術費
ネコちゃんの避妊や去勢の手術をする場合の費用のことです。手術費用として約2万円がかかります。

 

日常的にかかる費用

ネコちゃんと一緒に暮らす上で日常的にかかる主な費用と各費用の平均金額は、下記のとおりです。

■日常的にかかる主な費用の平均金額

費用の種類 ひと月あたりの平均費用 生涯でかかる平均費用
食費 3,515円 64万4,885円
トイレまわりにかかる費用
(例:猫砂、消臭シートなど)
1,970円 36万936円
日用品・消耗品にかかる費用
(例:お手入れ用品、おもちゃなど)
1,239円 22万4,627円

ただし、ネコちゃんによっては特定のものしか食べない子や、お気に入りの猫砂でしか排泄しない子もいるため、実際は上記の金額以上の費用がかかるケースもあります。

 

エアコン代

夏や冬には、ネコちゃんが快適に過ごせるよう、エアコンを使う方が多いです。
冷房にかかる費用は一生で平均26万2,038円、暖房にかかつ費用は一生で39万3,363円といわれています。
室温が高すぎても低すぎてもネコちゃんの健康には良くありません。そのため、ネコちゃんの様子を見ながら最適な温度を探り、正しくエアコンを利用してください。

 

医療費

病気やケガなどで動物病院を受診するかと思います。
医療費は一生で平均46万8,419円といわれています。しかし、ネコちゃんの健康状態はかなり個体差があるため、この金額はすべてのネコちゃんの目安ではない点に注意が必要です。

また、ネコちゃんを病気から守るために年に1回のワクチン接種や健康診断も受けなければなりません。
ワクチンの接種費用は、1回あたりおおよそ6,000円、一生で平均は6万7,856円かかるといわれています。また、健康診断は1回あたり1万円程度に収まることが多く、一生で平均11万2,746円かかるといわれています。生涯でみるとそれなりの金額にはなりますが、病気の早期発見につながると考えれば納得できる金額といえるでしょう。

マイクロチップ装着義務化とは?

2022年6月から、ブリーダーやペットショップで販売されるネコちゃんやワンちゃんにはマイクロチップを装着することが義務化されました。
マイクロチップとは、直径1.2mm、長さ8mm程度の円筒形の機器のことで、15桁の番号に紐づけて飼い主さんの情報などが登録されています。マイクロチップは、獣医師によってワンちゃんの体に直接装着されるため、首輪や迷子札のように外れる心配がありません。迷子になったり、災害の際にはぐれたりしたときも、専用のリーダーでマイクロチップを読み取れば個体識別が可能です。
ブリーダーやペットショップ以外からネコちゃんを迎え入れる際も、安心・安全のためにマイクロチップの装着を検討しましょう。

なお、ブリーダーやペットショップから自宅に迎え入れたネコちゃんは、すでにマイクロチップに登録されている情報を更新する必要があります環境省「犬と猫のマイクロチップ情報登録」、もしくは専用のコールセンターから行ってください。

ネコちゃんを飼うことで、飼い主さんの生活はどう変わる?

ネコちゃんを飼うことには、責任が伴います。ただ「かわいい」「癒される」だけではなく、ひとつの命を預かる自覚を持って暮らさなくてはなりません。生活が変わることも覚悟して飼う必要があります。
ここでは、ネコちゃんを飼うことによる3つの生活の変化について説明します。

 

長期間の外出ができない

ネコちゃんは、ワンちゃんに比べると留守番が得意な動物ですが、長期の留守番はストレスになりやすく、特に子猫のうちは命にかかわる可能性もあります。変化を嫌う性質もあるため、一緒に旅行に行くのも難しいでしょう。
そのため、ネコちゃんを飼い始めたらおでかけの日数を短くするか、ペットホテルやペットシッターにネコちゃんを預ける必要があります。

 

部屋がネコちゃん第一になる

ネコちゃんは機敏な動物のため、部屋中のありとあらゆる高い場所や狭い場所に入ります。その他、上手にしつけをしていないと、どこでも爪とぎをしてしまうことも。そのため、こだわりのインテリアが落とさせる、お気に入りの家具が傷つけられる等は覚悟しなければいけません。また、ネコちゃんにとって危険なものは極力置かないようにすることも必要になります。
 

日頃のさまざまなお世話が必要になる

ネコちゃんを飼うということは、ごはん、トイレのお世話、お手入れなど、ネコちゃんへのさまざまなお世話が毎日必要になるいうこと。そのため、基本的にネコちゃん優先の生活になることを頭に入れておきましょう。

仕事の都合などで、どうしてもネコちゃんのお世話が難しい場合は、親族や友人など信頼できる人に代わりにしてもらうか、ペットシッターに預けるなどの対応が必要です。

ポイントを押さえて準備を進め、ネコちゃんを迎えよう

ネコちゃんとの新しい毎日に向けて、知っておきたいポイントをご紹介しました。ネコちゃんとの暮らしは楽しいだけでなく、責任が伴うものです。本記事を参考に、ネコちゃんとの生活の基盤を整えましょう。

Frequently Asked Questions
ネコちゃんの飼い方Q&A

ネコちゃんを迎える前に必要な心構えは?
ネコちゃんは健康で安全に暮らせる環境だと比較的長く生きる動物で、中には20年前後生きる長寿の子もいます。そのため、飼う際には一生面倒をみる覚悟が必要になります。食事はもちろん、排泄物の処理、安全管理、病気の予防、避妊・去勢など、すべてが命を預かる飼い主さんの責任です。
また、おうちの事前準備も必要です。ネコちゃんの肉球が傷つく可能性がある尖ったもの、誤飲しがちな糸くずやビニール、ほこりなどを取り除き、ネコちゃんが安心安全に暮らせる環境を用意してあげましょう。


 
ネコちゃんを飼えなくなる主なケースとは?
ネコちゃんを飼えなくなる主なケースとして、下記が挙げられます。
・引越し先がペット禁止である場合
・家族に猫アレルギーが出てしまった場合
・近所から苦情がきて対策がとれない場合
・ペット禁止の集合住宅で飼っていることがバレてしまった場合
・たくさん生まれたものの、全頭育てることができない場合


ネコちゃんに出会う方法(主な入手先)は?
新しい家族となるネコちゃんと出会うには、ペットショップやブリーダーから購入したり、動物愛護施設や里親募集により譲り受けたりするほか、捨てられたネコちゃんを保護する等の方法があります。


ネコちゃんを迎え入れる際の注意点とは?
活発な子・マイペースな子・お手入れに時間が必要な子など、猫種によってさまざまな特徴があります。飼い主さんのライフスタイルに合った猫種を選ぶようにしましょう。また、ネコちゃんにとって安心安全な飼育環境を用意できるかも確認しておきましょう。


留守番はどれくらいできる?
ネコちゃんは、ワンちゃんよりも留守番が得意な動物で、大人のネコちゃんなら1日程度は問題ありません。いたずらをしないよう環境を整え、温度管理をしっかりして外出しましょう。長期間お家を空ける時は、ペットホテルなどの利用をオススメします。


フードの与え方のポイントは?
生後3週間くらいまではネコちゃん用のミルクを1日8回、2時間から4時間おきに飲ませ、乳歯が生え始めたら少しずつやわらかいフードを与えます。乳歯が生えそろったら、「総合栄養食」の記載があるフードを月齢、年齢に合わせて与えてください。


避妊・去勢手術は必要?
避妊・去勢手術には、望まない妊娠を防ぐほか病気の予防、発情行動の抑制などの効果があります。太りやすくなったり、全身麻酔が必要になったりするなどのデメリットを踏まえて、ネコちゃんにとって最善の選択をしましょう。


猫を迎える前に準備したい環境やグッズは?
ネコちゃんを迎える前に準備したい環境やグッズとして、ベッド・トイレ用品・お手入れ用品・食器類・サークル・首輪・爪とぎ・キャリー・タワーなど高いところや一人になれるスペースなどを用意してあげましょう。
ネコちゃんにとって危険な物は片付けておくこと、爪とぎをされたくない家具や柱には爪とぎ防止のシートやスプレーをしておくことも忘れずに。