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猫や犬の誤飲誤食の危険性

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猫や犬の誤飲誤食の危険性 ペットを守るために注意すべきもの
「ペットがこんなものを食べちゃった!」と焦ったことはありませんか?体に害がなく消化できるものなら大丈夫ですが、食べたものによっては命の危険に関わることも…。大事に至らないよう、犬や猫の誤飲誤食は、まず飼い主さんが気をつけることが大切です。
ここでは、犬や猫に与えてはいけない食べ物や誤飲誤食しやすいもの、誤飲誤食の際の対処法などを解説します。(最終更新日2023年3月30日)

目次

ペットの誤飲誤食に関するQ&A

まずは、ペットの誤飲誤食に関するよくある質問について、それぞれ解説していきます。ペットを飼いはじめて間もない飼い主さんなど、ペットの誤飲誤食に関する知識があまりない方は、必ず確認しておきましょう。

 

犬や猫に与えると危険な食べ物ってあるの?

犬・猫ともに、タマネギやネギ類を与えてはいけません。赤血球が破壊されて貧血をおこします。ハンバーグやシチューなど、タマネギを含む料理は、なめるのも危険です。

 

犬はチョコレートを食べてはいけないの?

犬は甘いものが好きですが、チョコレートの場合、含まれているテオブロミンという酵素を分解できず中毒になってしまいます。小型犬が板チョコ1枚を食べると死に至る危険さえあります。

 

猫は、自分の毛を飲み込んでも大丈夫なの?

猫は、毛づくろいの際などに自分の毛を飲み込みますが、草などを食べて吐き出す場合は心配ありません。ただし、お腹にたまる場合は、便と共に出す薬もあるので、獣医師に相談してください。

 

拾い食いにはどんな危険があるの?

犬が興味を持つのは、主に残飯類。道に落ちているものには、腐っているものも多く、食中毒をおこす危険性が。また、鶏肉の骨などは、裂けて体内で刺さる危険もあります。

 

愛犬が食糞するのは異常があるしるし?

犬が食糞すること自体は、退屈や空腹などが原因で、異常ではありません。しかし、放置された糞には、寄生虫の卵など病原菌がついている場合もあり、食べさせない方が無難です。

ペットが誤飲誤食しやすいもの

ペットが特に誤飲誤食しやすいものは、次のとおりです。家にこれらのものがある方は、できるだけペットの目に触れない場所に保管しましょう。

 

ボタン電池

ペットの口に入りやすい大きさなので要注意。体内に入り、胃腸にとどまると、腐敗して内臓をやぶいてしまいます。

 

釣り針

釣り針が口にひっかかった場合、パーツを破壊しないと取れない構造になっているので要注意。体内に入った場合は、さらに傷つける危険があります。

 

串・ようじ

カツや焼き鳥などの串、またつまようじなども危険。先がとがっているので、体内で刺さってしまうことがあります。

 

人の薬

錠剤、カプセルなどは、口に入る大きさなので危険。特に猫が人間の風邪薬を誤って飲んでしまうと、肝機能障害をおこすことがあります。

 

ストッキング

体内で消化できずにとどまり、胃腸を詰まらせます。猫の舌にも繊維がからみやすいので注意。

 

たばこ

おもちゃにして食べることがあり、小型犬の場合、2~3本食べるとニコチン中毒をおこす可能性があります。

 

ビニールやポリなどの袋

食べ物のニオイがする袋を一緒に食べてしまう場合があります。体内にとどまって、胃腸を詰まらせます。

 

糸や紐など

裁縫の糸はもちろん、毛糸、タコ糸、釣り糸、コマの糸などは、体内でからまるので危険。また、口から出ている糸を無理に引っ張ると胃腸を傷つける場合があるので注意。

 

万が一、ペットが誤飲誤食してしまったら?

どれも、飲み込んだ場合は命の危険も考えられるので、すぐに動物病院で対処してもらいましょう。猫は犬ほど誤飲をしない性質ですが、舌がザラザラしていて糸などがからみやすく、自分では取れないので注意してください。

これを食べたら、まずは容態を確認!犬が食べてしまいやすいもの

犬が誤飲誤食してしまいやすいものは、次のとおりです。誤飲誤食を防ぐために、普段からこれらのものは犬の目につかない場所に置いておきましょう。

 

木のくず

家具や木のおもちゃなどをかじるクセのある犬は、その木くずまで食べてしまうことがあります。

 

食べ物のシミがついたティッシュペーパーを食べたり、紙袋・紙箱などを破壊して破片を一緒に食べてしまうことがあります。

 

外で遊んでいる時に、石や砂利を食べることがあります。石をおもちゃにして口に入れるタイプの犬は、特に注意が必要です。

 

ペットシーツ

退屈するとペットシーツをおもちゃにし、破って遊ぶうちに飲み込んでしまうことがあります。

 

犬は、ぬいぐるみの耳などのパーツを破壊しては、口に入れます。また、飼い主の靴下やタオルなどもかみちぎって食べてしまう可能性があるので注意しましょう。

この犬種は特に注意!誤飲誤食の多い犬種

食べることや口にものを入れるのが好きな性質の犬種、また、大らかで好奇心旺盛といった性格などが災いして、非常に多く発生している「誤飲誤食」。誤飲誤食が多い犬種としては、ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク、チワワ、ミニチュア・ダックスフンドなどが挙げられます。こういった犬の場合は、特に注意して口にするものをきちんと管理してあげましょう。もちろん、他の犬種でも誤飲するクセのある犬は、繰り返す可能性が高いので注意してください。

 

万が一、犬が誤飲誤食をしてしまった場合は?

どれも、少量で細かくなっている場合は大きな問題になりませんが、大量に食べたり大きな破片を飲み込んだりした場合は、胃腸を詰まらせる場合があります。嘔吐するなど普段と違う様子が見られたら、早めに動物病院で診てもらいましょう。

獣医師から聞きました!患者さんのうっかり誤飲誤食エピソード

飼い主さんたちがどれだけ気をつけていても、ペットの誤飲誤食はどうしても起こりうるもの。今回は、ファーブル動物病院の堀中修先生にお聞きした、さまざまなご家庭のペットによる誤飲誤食エピソードを紹介します。

 

誤飲誤食エピソード その1

今夜は「おでん」。串に刺さった牛スジをお皿に乗せ、ちょっと目を放したスキに、愛犬がパクリ。串ごと食べてしまったのです。慌てて動物病院へ行き、手術で取り除くことになりました。

 

誤飲誤食エピソード その2

夏の暑い日、アイスキャンディを食べていたら、愛犬が食べたそうな顔。ちょっとなめさせてあげようと目の前に出したら、アイスバーごと一口で完食。動物病院の内視鏡で、バーを取り出してもらいました。

 

誤飲誤食エピソード その3

うちの猫が、コマまわしの糸にじゃれていました。しばらくして様子を見ると、口の中にコマの糸が入って取れない様子。引っ張ると痛がるので、慌てて動物病院へ。結局、口から腸まで糸がとどいていて、入院して手術で取ることになりました。

 

誤飲誤食エピソード その4

ボールをくわえるのが大好きな愛犬。いつものように口に入れて遊んでいましたが、なんと、いきなりボールを咬みつぶして、そのまま飲み込んでしまいました。すぐに動物病院で、吐き出させてもらいました。

 

誤飲誤食エピソード その5

食事がおいしくなるように、すき焼きの残り汁を愛犬のフードにかけて与えました。その時は喜んで食べていましたが、その後元気がなくなってきて、すぐに動物病院へ。すき焼きの汁に含まれていたタマネギの成分が原因で、貧血になったと知って反省しました。

獣医師からのアドバイス:ペットの誤飲誤食は、事前に防げるよう飼い主が常に気をつけて!

誤飲は家族が注意すれば、ある程度防ぐことができます。何よりも、ペットが口にしそうなものを放置しないことが大切。もしも、ペットが食べてはいけないものを口にしたら、飲み込む前の対処が肝心なので、まずは口から出させるようにしましょう。犬の場合は、指示によって口の中のものを出すしつけをしていると安心です。すでに飲み込んでしまっている場合は、すぐに動物病院に相談してください。
また、飼い主の知らないうちにペットが誤飲している場合もあります。食欲があり、元気に過ごし、便も出ている。しかし、急に食べたものを吐くなど、頑固な嘔吐が続く場合は、胃の中に異物が入っている可能性があります。さらに、異物が腸にまで達すると、腸閉塞などをおこしますから要注意です。フードを食べたり水を飲んでも、すぐに戻したり、下痢や軟便などの症状も出てきます。どちらの症状の場合も、大事に至る前に早めに獣医師の診察を受けてください。

監修

ファーブル動物医療センター院長 堀中修先生


内科、整形外科、眼科それぞれの専門医が在職する動物病院。堀中さんは内科を担当し、皮膚病やホルモン、針治療なども得意としています。

ファーブル動物医療センター
大阪府門真市岸和田3-35-24
TEL 072-884-7821

よくある質問
犬や猫の誤飲誤食Q&A

犬や猫が誤飲・誤食した場合はどうする?
ボタン電池や人の薬、たばこ、ビニールなどを飲み込んだ場合は命の危険も考えられるので、すぐに動物病院で対処してもらいましょう。猫は犬ほど誤飲をしない性質ですが、舌がザラザラしていて糸などがからみやすく、自分では取れないので注意してください。


犬が誤飲しやすいものとは?
家具や木のおもちゃなどをかじるクセのある犬は、その木くずまで食べてしまうことがあります。また、ティッシュペーパーやペットシーツ、ぬいぐるみの布を破って遊ぶうちに飲み込んでしまうことがあります。石や砂利を食べることもあり、石をおもちゃにして口に入れるタイプの犬は、特に注意が必要です。