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この記事では犬種や年齢、体の大きさに応じた散歩時間や距離の目安、子犬やシニア犬を安全に散歩させるために気を付けたいことや、快適に散歩を楽しむために必要な持ち物やマナーについて詳しく解説します。愛犬との楽しい散歩時間をつくるための参考にしてください。(最終更新日2025年4月23日)
1愛犬の心身の健康には散歩は必要
愛犬の心身の健康のためには毎日の散歩が欠かせません。散歩をしないと、住環境によっては十分な運動量が確保できず、肥満や生活習慣病のリスクが高くなる他、ストレスが溜まり問題行動を引き起こしてしまう可能性があります。さらに、外の刺激を受けずに過ごすと、環境変化に対して過敏になり、社会性が育みにくくなってしまうこともあります。
散歩は一般的に1日2回が推奨とされています。天候や飼い主のスケジュールに合わせて調整しながら、できるだけ毎日続けられるようにしましょう。外の空気に触れ、視覚や聴覚を刺激しながら体を動かすことは、愛犬の心身のバランスを整えるだけでなく、飼い主との信頼関係も深められます。
21回あたりの散歩時間や距離の目安
犬にとって適切な散歩の時間や距離は、体格や年齢、健康状態によって異なります。下記表はサイズ別の散歩量の目安です。うちの子の散歩量の参考にしてください。
■犬の散歩量の目安
犬種例 | 散歩量の目安 (1回あたり) |
備考 | |
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小型犬 | チワワ、シーズー、トイ・プードル、ミニチュア・ダックスフンド など | 時間:15-30分 距離:1-2km |
4kg以下の子は負荷がかかりすぎないよう、長距離や階段などを避ける。 |
中型犬 | 柴犬、シェットランド・シープドッグ など | 時間:約30分 距離:~2km |
狩猟犬や牧羊犬として活躍していた犬種は、1回1-2時間が理想。 |
大型犬 | ラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバー など | 時間:30~60分 距離:2~4km |
激しい運動が関節や心臓に負担になる可能性があるため、散歩量はほどほどに。 |
ミックス犬 | 体の大きさで判断する |
|
個体差があるため、愛犬の様子を見て調整する。 |
一概に「小型犬だから短め、大型犬だから長め」という訳ではなく、犬種や年齢等によって必要な運動量は異なります。
散歩中・散歩後の様子を確認し、途中で休憩を入れながら散歩量の調整をしましょう。日々の健康状態を確認し、無理のない範囲で散歩を楽しむことが大切です。
3子犬やシニア犬の散歩時の注意点
〇子犬の場合
感染症のリスクを考え、2回目または3回目のワクチン接種後、生後3~4ヵ月を目安に散歩ができるようになります。
完全に免疫が付いていない状態で外出すると感染症などのリスクが高まるので、散歩デビューの時期は獣医師と相談のうえ判断してください。一方で、生後3カ月頃までは子犬の「社会化期」と呼ばれ、この頃に体験したことには順応しやすいといわれています。ワクチンの接種前は地面に降ろすことはせず、スリングバックやカートを活用しながら「抱っこ散歩」ができると良いです。
お散歩デビューをしたらはじめは短時間の散歩を1日に数回行い、徐々に外の環境に慣れさせていきましょう。人や車などに恐怖心が芽生えないように様子を見て徐々に慣らしていきましょう。
〇シニア犬の場合
散歩は刺激を受ける良い機会ですが、若い時と同じようにはいきません。体力や筋力も落ちてくるのでその時の体調に合わせて散歩量を調整してあげましょう。
散歩の時間は10分程度を目安に、愛犬のペースに合わせてゆっくり歩いてあげると安心です。足腰が弱くなってきても、カートなどを使い外に連れ出してあげるだけでも良い刺激となり、気分転換にもなるでしょう。
4散歩に適した時間帯
季節や気候の影響を受けやすい犬にとっては、散歩の時間帯も大切です。季節ごとの散歩の時間帯は、次のとおりです。
<愛犬に適した季節ごとの散歩の時間帯>
◯春…朝と夕方
◯夏…早朝、夕方以降の地面の温度が下がった時間帯
◯秋…朝と夕方
◯冬…日中の比較的暖かい時間帯
夏場の強い日差しの下では、肉球のやけどだけでなく熱中症のリスクが高まります。早朝や夕方以降など、地面の温度が下がった時間帯を選んで散歩をしましょう。冬場は寒さが厳しくなる朝晩を避け、日中の比較的暖かい時間帯がオススメです。小型犬やシニア犬、被毛が短い犬種は、体を冷やさないようウェアや防寒着の着用も検討してください。
雨や雪の日は無理に外出すると体力を消耗しやすく、事故や怪我につながる可能性もあるため、散歩の代わりに室内での遊びや運動を増やしてあげるのも方法です。散歩に行く場合は、レインコートなどを着用し、時間も短めにしましょう。帰宅後は体を拭き、暖かくしてあげてください。
5愛犬との散歩に必要なもの
愛犬と安全、かつ快適に散歩を楽しむために必要なアイテムを紹介します。
愛犬が身に付けるもの
首輪・ハーネス
首輪やハーネスは、愛犬のサイズに合ったものを着用してください。ハーネスは首に負荷がかかりにくく、体にかかる圧力が分散されるので、小型犬や気管が弱い犬にはオススメです。
また、鑑札・注射済の装着は法律によって義務付けられています。迷子になった時などにはおうちに早く帰るためにとても大事なものとなりますので外出時には必ず装着するようにしましょう。
リード
リードは飼い主さんが持ちやすく、愛犬を制御しやすいものを選びましょう。車や人通りの多い場所を歩く際は、安全のためリードを短く持つ必要があります。いざというときに愛犬が飼い主さんから離れないように引き寄せられる長さのリードを選んでください。広い公園など、愛犬が走り回っても安全で周囲に迷惑が掛からない場所では、伸縮リードやロングリードもあると便利です。
そのほか、夜間や早朝など暗い時間に散歩をする際は、反射材やライトのついたアイテムを活用するのもオススメです。
周囲の人や車、自転車などに愛犬の存在が認識されやすくなり、安全に散歩ができます。
飼い主さんが持っていくもの
愛犬との散歩に飼い主さんが持っていくものは、主に排泄物の処理をするアイテムと愛犬の水分補給やコントロールをするのに必要なアイテムです。
<飼い主さんが持っていくもの>
◯ポリ袋やティッシュ(排泄物の処理)
◯水(ワンちゃんの飲み水、おしっこの処理)
◯おやつ(ご褒美や水分補給)
オススメアイテム
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ポータブルウォーターボトル リーフ散歩中の愛犬の水分補給やトイレの後処理に便利なシリコン製給水器。ストラップとカナビラ付で持ち運びにも便利です。市販の500mlペットボトルにも対応しているから、いつでもどこでも新鮮な水をあげられます。
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6愛犬との散歩で気を付けたいこと
散歩に行く際は、愛犬の様子を常に気にかけることが重要です。いくつかのポイントに分けて解説します。
散歩中は常に愛犬の様子を確認する
散歩中は愛犬が「疲れていないか」「喉は乾いていないか」など、常に様子を確認してあげましょう。息が上がり過ぎていたり、ハアハアと舌を出していたら一度休憩し、水分補給をさせてください。暑い時期にグッタリしている場合や、寒い時期に震えている場合は、早めに切り上げて室内で休ませてあげてください。子犬やシニア犬は体温調節が苦手なので、特に注意が必要です。
また、拾い食いは非常に危険です。落ちているものを口にしないよう注意をしつつ、拾い食いをしないようにトレーニングをしましょう。
散歩マナーを守る
愛犬と自分自身が楽しく散歩をするためにも、散歩マナーは守りましょう。リードを離して愛犬を好きにさせることは、ドッグランなど特定の場所を除き厳禁です。常に愛犬をコントロールできるリードの長さを保つことが大切です。伸縮リードを使う場合でも、道路や周囲に人が多い場所ではリードを伸ばさないのがマナーです。また、排泄物の処理も必ずしてください。ウンチは持ち帰り、おしっこは水で流しましょう。
そのほか、公共の場で無駄吠えさせないよう普段からトレーニングしておくことも必要です。ほかの犬に対して過剰に攻撃的になる犬も中にはいます。愛犬は大丈夫でも、相手の様子をうかがってください。犬同士で挨拶をさせる場合は、近づける前に相手の飼い主さんに了解を得てからするようにしましょう。
7愛犬にとって楽しい散歩にするために
散歩は愛犬にとって、心身ともにリフレッシュできる貴重な時間であり、健康のためにも非常に重要な日課です。1日2回を目安に、犬種や体格、年齢に応じて散歩量を調整しましょう。愛犬の安全を確保し、マナーを守って散歩を楽しみましょう。
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よくある質問
愛犬の散歩Q&A
- 犬は毎日散歩が必要ですか?
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愛犬の心身の健康のためにも毎日の散歩は欠かせません。1日2回を目標としながら、飼い主さんの生活リズムや愛犬の年齢、体力に合わせて回数や時間を調整してあげてください。
- 犬は1回あたりどれくらい散歩するべきですか?
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目安としては小型犬は20〜30分程度、中型犬や大型犬は30〜60分程度ですが、犬種や体格、体力により大きく個体差があります。愛犬の体調や性格に合わせて柔軟に調整してください。
- 犬の散歩で気を付けることは?
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夏や冬は特に散歩の時間帯や服装にも配慮し、快適に散歩できるようにしてあげましょう。また、散歩中は常に愛犬の様子を確認し、疲れている様子があれば適宜休憩を入れましょう。そのほか、リードを離さない・排泄物の処理をする等、散歩マナーを守ることも大切です。