特集/Pickup
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一般的にワンちゃんがシニアと言われるのは
7歳から。愛犬が健康的に歳を重ね、
ずっと一緒にいるためには、
どんなことに
気をつければ良いでしょうか?
今回、シニア向け商品開発に携わっている
担当者に話を聞きました。
また、先輩飼い主さんのアンケートや、
シニア向け商品『zuttone(ずっとね)』に
ついてもご紹介します。
シニア期を迎えた愛犬について、飼い主さんに
アンケートをとりました。
一体いつから老いを感じ始め、どのような
対策をしているのでしょうか。
今回のアンケートでは、愛犬に老いを感じ
始めた時期は“10歳から”が最多で、
全体の15.6%を占める結果になりました。
シニア期~介護期に差し掛かると、徐々に目が見えづらくなったり、
筋力が低下したりと様々な症状が現れます。愛犬の負担軽減のため飼い主さんの多くが工夫したポイントは
「食事面」(52.8%)と「住環境」(43.5%)という結果に(複数回答)。
全体の半数の飼い主さんが、食事や住環境の見直しをしていることがうかがえました。
具体的にはシニア用のフードに変える、スープやペースト状のフードを足す、階段にセンサーライトを付ける、
サポーターやマナーベルトを着けるといった対策をとっているようです。
そんな「zuttone」の商品開発の担当者にインタビューを実施。シニア犬向けアイテムへのこだわりはもちろん、シニア期からのワンちゃんへのアドバイスを、商品開発担当でもある川上さんに、6つの生活シーンごとにシニア期~介護期についてお聞きしました。
用品開発部 用品企画開発課川上 奈緒子
「zuttone」をはじめ、フードを細かくする「フードクラッシャーハンディー」や「7歳からのやさしいハーネス」や「ファブリッククッションステップ」等、様々なシニアペットにも使用しやすい商品開発を担当。愛玩動物飼養管理士・ペット用品取扱士・ペットケア専門士2級。
– シニア犬の商品開発に携わるようになったきっかけを教えてください。
「zuttone」の立ち上げメンバーから、犬の介護に対しての考えやブランドへの熱い思いを引き継ぎ、今はメインで商品開発に携わっています。また、他にも様々なシニア期~介護期に使用するペットの商品開発をしています。
愛犬全体の半数が7歳以上のシニア犬で、寿命も延びてきていると言われているなか、シニア犬に着目した商品開発はとても価値のあるものだと考えています。
15年ほど前のブランド立ち上げ以前は、犬を介護する環境が整っておらず、専用のアイテムも情報も
ほとんどありませんでした。愛犬への大変だった介護の経験を経て、ペットにも専用の介護アイテム
が絶対に必要と感じました。ペットの総合メーカーとして、シニア犬をサポートする商品を発信して
いかなければ!と今までとは違った視点からアプローチをした商品開発に取り組んでいく事になりま
した。
現在はネットやSNSで簡単に情報を得られる時代ですし、ブランド立ち上げ当時よりも「シニア犬」
というものにスポットがあたりやすくなっていると感じます。昔に比べて「愛犬がシニアになった時」
を意識される方が増えてきたのは嬉しいです。
– 通常のペットグッズ開発と違う点は。
「どのようなことで困っているのか」を実際に介護を経験された方や介護を現在されている方、シニア犬と過ごされている方にアンケートをとり、生の声をもとに商品を開発している点です。生活のあらゆるシーンごとに困っていることを分析して、それぞれに合わせて必要なものを明確化していっています。お悩みを持つ飼い主さんが「zuttone」を見た時に、散歩や食事などシーンごとのお困りごとがフォローできるように意識しています。
犬種による違いはもちろん、この時期に使用する商品は、筋肉量が落ちることで、サイズが合わなくなってくるという難しい部分があります。そのような悩みも解決できるよう、試行錯誤しながら開発しています。
– 開発をしていて難しいところは。
健康な子とシニアの子、介護が必要な子で意識すべき点が違うので、実際にモニターをして使用感を見てみないと分からない部分が多いところですね。モニター対象のワンちゃんがなかなか見つからないところも苦労します。
また、老犬介護施設や専門家のプロの方に開発段階の商品を使ってもらい、自分では気が付けない部分のご意見をいただき、商品に反映させることもあります。
散歩は筋力を付けるためにも大切な運動。足の筋力が低下してくると、スムーズに立ち上がれなかったり、歩く時によろけてしまったりします。また、足の筋力は排せつでの踏ん張りにも関わります。
歩くスピードが遅くなったり歩かなくなったりしても、体力や様子を見ながら、ハーネスなどを使って少しでも散歩させてあげることをおすすめします。
おむつや室内での排せつに、早い段階から慣れさせておくことはとても重要です。介護が必要になった時に、外でしか排せつできないままだとワンちゃんは我慢してしまい、飼い主さんは毎日、外に連れ出さなければならない大変な状況になってしまいます。
シニア期~介護期に、排せつの問題はつきもの。ワンちゃん自身だけでなく、床や部屋が汚れてしまったりすると、飼い主さんの大きな負担にもなりますので、トイレの失敗が増えてきたら、状況にあわせておむつパンツや紙おむつを使ってほしいです。
おむつのムレが心配で、利用は最低限にとどめたいという場合は、防水マットやシーツを敷いたり、新聞紙も一緒に利用して、広めに敷いておくと掃除の負担軽減になります。
寝ることが多くなっても、ずっと同じ体勢でいないように動かしてあげたり、日なたぼっこをして刺激を与えたりすることで、老化現象は緩やかになります。寝たきりにならないよう、工夫をしてあげましょう。
そしてワンちゃんの夜泣き(夜鳴き)に悩む方も多いと思いますが、やさしく声をかけてあげたり、体調不良や環境等、不安要素を取り除いてあげましょう。
また、日中に散歩や室内遊びをさせるなど体を動かしたり昼寝をする時間を短くしたりすることで、夜泣きが和らぐことが期待できます。
それでも夜泣きが収まらない場合は、家族だけで抱え込まず、獣医さんや専門家に相談しましょう。
ちょっとした動作を簡単に助ける
「補助機能付きベスト」
「補助機能付ベスト」は、前足用のハーネスとは違った目的で開発したアイテム。3つの短い取っ手は邪魔になりにくく、ベストの形状は面で体をしっかり支えます。
階段やソファーに登るのを失敗したり、立ったり歩いたりお座りするといった普段の動作がしにくくなってきているなと感じた場合に、取っ手を持ってサポートしてあげてください。
あわせて、足の踏ん張りがきくように滑りにくいシートを敷いてあげたり、ソファーやベッドにステップを置いてあげたりして住居環境を見直してあげましょう
シニア犬になってくると睡眠時間が増えてきます。1日の中で寝床は1番過ごす場所になるのでこだわってあげましょう。
ただ、同じ体勢や姿勢のままでは「床ずれ」が起こりやすくなるのが心配です。床ずれができないようにするためにも、ベッドは最重要と言ってもいいポイントになります。
ベッド以外に「ドーナツ型」や「スティック型」のクッションもあるので、寝る時間が長いシニア期~介護期は、クッションの併用もおすすめです。足や股に挟んであげることで、蒸れを防止する効果や、関節などの節々に空間をつくり、摩擦防止にもなります。ビーズタイプは、その子に合わせた厚みの調節が可能なので、より負担を軽くしてあげることができますね。
– 最後に愛犬がシニア期を迎える飼い主様へメッセージをお願いします。
可愛くて愛らしくても、いつかは老化はやってきます。老化現象を緩やかにするよう食事や散歩等を見直したり、やさしい環境に整えてあげたりすることはできます。ワンちゃんは人よりも歳をとるスピードが早いので、異変にすぐ気づいてあげてほしいと思います。
いざ介護が必要になってから準備をするのではなく、迎え入れた時からシニアという時期はいずれやってくるんだと意識し、大切な子の将来を考えて必要な情報を探し、徐々に準備しておくことが本当に大切です。より多くの飼い主様に、早い段階からシニアケアについて興味を持ってほしいです。
シニア期~介護期に関わる全ての方とペットに“いたわり”の気持ちを持って商品開発をしているということもあり、それが実際に役立つものになれば開発冥利に尽きるなと感じます。
ずっと一緒に幸せに暮らすための手助けをしたい、というのが当初からの願い。そこは変わらずに、これからも頑張っていきたいです。
愛犬のために、シニアになるための準備を早い時期からするのが当たり前になって
ほしいと川上さんは考えています。いつかは必ずやってくるシニア期。シニア期に
入る前から、飼い主としてできることを愛犬と一緒に取り組んでいきましょう。
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