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ここでは、ワンちゃんを迎え入れる際の心構えから、迎え入れた後のフードの与え方や散歩の頻度、ワクチンや避妊・去勢手術のことまで、知っておきたい情報を幅広くご紹介します。(最終更新日2024年8月2日)
愛犬のしつけはどうすればいい?
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目次
監修
静岡県島田市向谷3-918-9
北里大学獣医学部獣医学科卒業。専門学校ルネサンス・ペット・アカデミー非常勤講師、日本ペットマッサージ協会とペット薬膳国際協会の講師を務める。東日本大震災における被災動物レスキュー活動などにも参加。一般的な西洋医療のほか、鍼灸治療や漢方、ペットマッサージなどを通して動物の健康に取り組む。
ワンちゃんを迎える上での心構え
ワンちゃんの寿命は犬種によってもさまざまですが、健康で安全な環境だと比較的長く家族として暮らせる動物です。ワンちゃんを飼うということは、そのワンちゃんの面倒を一生見るということです。毎日の食事はもちろん、散歩や排泄の処理、しつけ、安全管理、病気の予防などすべてが命を預かる飼い主さんの責任になります。
5年後、10年後のワンちゃんとの生活を想像してみてください。一緒に暮らす毎日はとても素敵なものですが、ワンちゃんについてきちんと理解せずに飼いはじめると、ワンちゃんも飼い主さんもつらい思いをすることもあります。飼う前にきちんと情報を集めた上で、本当に飼うかどうかを十分に検討しましょう。
<ワンちゃんを飼えなくなる主なケース>
・転勤の際に引っ越し先がペット禁止だった場合
・家族にアレルギーが出た場合
・しつけが悪く近所から苦情がきたが対処できない場合
・飼い主さんがワンちゃんをコントロールできずに人を攻撃した場合
・家族の介護や赤ちゃんの世話のため、ワンちゃんの散歩など面倒が見られない場合
・飼い主さんが病気やケガになり、ワンちゃんの散歩や世話ができない場合
ワンちゃんに出会う方法は?
ワンちゃんを家族に迎えるには、ペットショップやブリーダーから購入する、一般家庭で生まれた子犬を譲り受ける、動物愛護施設から引き取るなどの方法があります。
純血種の子犬を入手するなら、信頼のおけるプロのブリーダーから購入し、親兄弟のワンちゃんたちとふれあいの時間をたっぷり持たせ、生後約8週間の時期に引き取るのがオススメです。しかし、中にはワンちゃんを命ではなくモノとして扱う悪質な業者がいるのも事実です。衝動買いをせずにじっくり調べて、実際に足を運んで決めましょう。
<ワンちゃんの主な入手先と注意点>
・ペットショップ
早い時期に親犬や兄弟犬から引き離されている場合や長期間展示されている子犬は、社会経験が不足している場合もあります。スタッフに飼育期間や飼育環境などを確認し、ワクチン接種など病気予防や健康管理も万全なショップを選びましょう。
・ブリーダー
子犬の健康に気遣い愛情を持って接しているのはもちろん、食事とトイレの場所が区別された清潔な環境であり、親犬や兄弟犬、さまざまな人間とも接触する機会が多いところを選びましょう。さらに、親犬の性格がよく病気予防など健康管理も万全なところがオススメです。なかには劣悪な環境で飼育する営利目的で大量生産タイプのブリーダーもいるので注意が必要です。
・動物愛護施設
動物愛護施設では、スタッフがあなたのライフスタイルや生活環境に合うワンちゃんをアドバイスしてくれます。またワンちゃんの譲渡の際には、去勢・避妊やしつけ講習会参加などの条件が伴う場合もあります。ワンちゃんによっては精神的に不安定な場合や保護生活が長いと新しい環境に慣れにくい面もあるため、十分に注意しましょう。
・里親募集
里親募集を通じてワンちゃんを迎え入れる場合、個人レベルのやり取りが中心になるため、譲渡条件などを最初に確認してトラブルがないようにしましょう。提示されている内容だけでなく、実際の子犬を自分の目で見て、飼育環境や飼育状態など納得できるかどうか判断することが大切です。
ワンちゃんを迎え入れる際の注意点
初めてワンちゃんを飼うときには、どのようなことに注意すべきなのでしょうか。ここでは、ワンちゃんを迎え入れる際の主な3つの注意点について、それぞれ説明します。
ライフスタイルに合った犬種かどうかを確認しておく
ワンちゃんを迎え入れる際は、飼い主さんのライフスタイルに合った犬種かどうかをあらかじめ確認しておくことが大切です。
純血種は犬種ごとに明確な特性があります。性格に個体差はあるものの、犬種ごとでそれぞれある程度成長後の特徴をイメージできるため、自身のライフスタイルに合ったワンちゃんを選ぶことができます。
初めてワンちゃんを飼うときは、シーズーやトイプードル、パグなどの従順で攻撃性が低くしつけがしやすい犬種がオススメです。
また、室内飼育をする方や小さな子供がいるご家庭には、マルチーズやフレンチブルドッグ、ボストンテリアなどの穏やかな犬種が良いでしょう。
一方、ミックス犬は特性を推測しにくいものの、遺伝的な病気にかかりにくいといわれています。愛犬と長く一緒に過ごすためミックス犬を選ぶのも選択肢の1つです。
飼い主の運動量に適した犬種を選ぶ
愛犬と一緒に散歩や運動を楽しみたい飼い主さんの場合、牧羊犬・狩猟犬など、運動量の多いワンちゃんを選びましょう。
<運動量の多い犬種>
・シベリアンハスキー
・ゴールデンレトリバー
・コーギーなど
また、体が大きいほど運動量が増える傾向にあるため、体力に自信がない飼い主さんは、チワワやマルチーズ、ポメラニアンなどの小型犬がオススメです。
換毛期の有無を確認しておく
オーバーコート(上毛)とアンダーコート(下毛)を持つダブルコートのワンちゃんは、春と秋の年2回換毛期があります。換毛期には大量の毛が抜けるため、普段のお手入れよりもブラッシングや抜け毛の掃除が必要になります。
シングルコートのワンちゃんは、換毛期がなく抜け毛が少ないため、ダブルコートのワンちゃんと比べるとお手入れがラクでしょう。
お手入れにあまり長い時間をかけられない飼い主さんの場合は、シングルコートのワンちゃんを選ぶのがオススメです。
<ダブルコートの犬種例>
・ダックスフンド
・ゴールデンレトリバー
・柴犬
<シングルコートの犬種例>
・プードル
・ヨークシャーテリア
・マルチーズ
ワンちゃんを迎える際の準備は?
新しい家族になるワンちゃんが決まったら、お家に迎える日までに生活できるようにペット用品をそろえておきましょう。
・トイレ用品
ワンちゃんのサイズに合ったトイレトレーとペットシートを用意しましょう。トイレトレーは、洗いやすいプラスチック製のものがオススメ。
・フード
ワンちゃんが環境に慣れるまでは、ブリーダーやペットショップで元々食べていたフードをそのまま引き継ぐと食べてくれやすいです。
・食器
フードや水を入れる食器は、必ずワンちゃん用のものを用意しましょう。ワンちゃんが食べやすい高さに食器を置ける食事台や脚付き食器がオススメ。
・お手入れ用品
ブラッシングやデンタルケア、シャンプーなど、日々のお手入れに必要なアイテムも用意しておきましょう。
・掃除用品
粗相や嘔吐など、子犬のうちは室内を汚してしまうことも多いため、掃除用品も準備しておきましょう。ペット用のウェットシートや臭い消しスプレーなどがあると便利です。
・おもちゃ
誤飲の恐れもあるため、ワンちゃん用のものを用意しましょう。おもちゃには、運動やストレス発散の意味合いもあるため、いくつか用意しワンちゃんが飽きないようにしてあげましょう。
・ケージやサークル
ワンちゃんの寝床にもなるパーソナルスペースを確保してあげましょう。初めのうちは、寝床に母犬や兄弟犬のにおいがついたタオルを入れておくと安心します。
また、ワンちゃんを迎える際には、アイテムを用意するだけでなく、ワンちゃんが快適に過ごせるような環境作りも必要です。
・危険なものへの対策
電気コード・薬品類・観葉植物など、誤飲の恐れがあるものや、イタズラをされて困るものは、ワンちゃんの届かない範囲に片付けるなどの対策をしましょう。
・木製の家具への対策
木製の椅子やテーブルの脚、タンスの角などは、子犬がかじる可能性があります。カバーをしたり、かじり防止スプレーをかけたりして対策しておきましょう。
ワンちゃんは屋内と屋外、どちらで飼うべき?
元々ワンちゃんは群れの中で暮らす動物なので、室内飼い向きや外飼い向きの犬種というのはなく、飼い主さんの家族と一緒にいることが最も自然な状態です。飼い主さんの家族と同じお家に住み、一緒に暮らし行動することが、ワンちゃんにとっての1番の幸せです。
また、人間と同じように、ワンちゃんにも安心して眠れる場所が必要です。外だと夜中に見知らぬ人が通る、不審な物音がするたびに緊張します。屋外に長時間いるワンちゃんは、寂しさや不安などのストレスから、無駄吠え・モノを壊すなど、攻撃的になりやすい傾向があります。室内で暮らすワンちゃんの方が家族と接する時間が多くなるので、コミュニケーションが取りやすく、しつけもうまくいき、体調の変化にも早く気付きやすくなります。
そのため、室内で飼う方がワンちゃんとの生活から得られる喜びや楽しさも大きくなるでしょう。
ごはんの与え方のポイント
食事は健康によいものを月齢に合わせて与えるのがポイントです。
生後3ヵ月頃までは、子犬用のウエットフードやドライフードをふやかしたものが食べやすく、消化しやすいです。初めての環境でごはんまで変わると混乱するワンちゃんが多いため、慣れるまでは飼い主さんが迎え入れる前から食べていたフードを引き継いで与えると食べてくれやすいです。
フードを切り替えるときは、元々のフードに新しいフードを少しずつ混ぜていくと無理なく切り替えられます。
また、ごはんを与える回数や量は、月齢や体格、体調によっても異なります。
成長期の子犬はたくさんのエネルギーが必要ですが、一気に食べるとおなかに負担がかかるため、1日3-4回に分けて与えてあげましょう。成長速度を見ながら徐々に成犬用フードに切り替えた後は、食事の回数は1日2回が基本となります。必要な栄養素をバランスよく摂れるよう、「総合栄養食」の表示があるフードを選びましょう。重ねて、ワンちゃん用フードには、体重が気になる子・病気がある子など、体のお悩みに合ったものも販売されています。うちの子の状態に応じて適切なフードを選ぶことが大切です。
なお、人間の食べ物を安易に与えるのは危険です。人間の食べ物には、ワンちゃん用のフードやおやつと比べると塩分や糖分、脂肪分が多く入っています。そのため、ワンちゃんに与えてしまうと、栄養バランスを崩したり、肥満や病気になってしまうことも。また、人間の食べ物を1度でも与えてしまうと、ワンちゃんは「また次回も食べさせてもらえる」と期待してしまい、段々と要求がエスカレートしたり、人間の食べ物をもらえないと吠える癖がついたりすることもあります。
ここでは、人間の食べ物のうち、ワンちゃんに与えてはいけない・注意が必要な食べ物についてご紹介します。
与えてはいけない食べ物
人間にとっては問題なくても、ワンちゃんに与えてはいけない食べ物があります。万が一、これらをワンちゃんが食べてしまった場合、食中毒やアレルギー症状が発生し、重症化すると死に至る危険もあります。そのため、愛犬が絶対に口にしないよう注意し、ワンちゃんの近くに置かないようにしてください。
<ワンちゃんに与えてはいけない主な食べ物>
・ネギ類(タマネギ、長ネギ)
・にら
・にんにく
・ゆり根
・ふきのとう
・チョコレート
・アルコール
・香辛料
・アボカド
注意が必要な食べ物
人間の食べ物のうち、ワンちゃんに与えるうえで、注意が必要な食べ物もあります。きゅうり、レタス、キャベツ以外は下茹でし、細かく刻んでひとつまみ程度にとどめましょう。心臓病や腎臓病を患っているワンちゃんは、野菜に含まれるカリウムを避けるため、摂取を控えてください。
<注意が必要な主な食べ物>
・かぼちゃ
・さつまいも
・とうもろこし
・トマト
・キャベツ
・きゅうり
・レタス
散歩はどのくらい必要?
ワンちゃんの散歩は、1日2回が目安です。1回あたりの時間は、小型犬なら15分~30分、中型犬なら45分ほど、大型犬なら60分以上が理想的です。個体差もあるため、ワンちゃんの様子を見ながら調整してください。
なお、ワンちゃんの散歩の目的は運動とストレス解消であり、排泄は含まれません。
混合ワクチン接種だけでなく、室内でのトイレトレーニングも済ませてから出掛けるようにし、公共の場を汚さないようにしましょう。自宅のトイレで排泄する習慣をつけておけば、悪天候などで散歩に連れて行けない日も安心です。
散歩に行くときは、万が一散歩中に排泄をしてしまった場合に備えて、排泄物を処理するグッズは常に携帯しておきましょう。ビニール袋、スコップ、水などを持ち歩き、必ず持ち帰って適切に処分してください。
予防接種やワクチン接種は必要?
ワンちゃんを迎え入れたら、すみやかに自治体への登録を済ませ、狂犬病の予防接種と混合ワクチン接種を行いましょう。
狂犬病の予防接種は、国が定めている狂犬病予防法により生後3ヵ月以降のすべてのワンちゃんに義務付けられています。自治体による集合接種が行われているほか、動物病院でも受けることができます。
また、混合ワクチンは義務ではありませんが、複数の病気の予防が1本でできるワクチンであるため、ワンちゃんの命を守る飼い主さんの責任として接種を検討しましょう。
室内飼いなら問題ないと考える方もいるかもしれませんが、人を介して感染症に罹患することも考えられるため、できる限り接種することが望ましいです。
ワンちゃんの混合ワクチンは、すべてのワンちゃんを対象にした「コアワクチン」と、暮らす地域や暮らし方などによっては接種が推奨される「ノンコアワクチン」からなり、下記のタイミングで接種を行います。
<混合ワクチン接種時期>
・1回目の接種時期:生後6週間後から8週間後
・2回目の接種時期:生後12週間後
・3回目の接種時期:生後16週間以降
上記の3回の接種を済ませたら、以降は原則として1年に1回接種することが推奨されています。
避妊・去勢手術は必要?
ワンちゃんの避妊・去勢手術を行うかは、メリット・デメリットを踏まえて判断する必要があります。
メリット・デメリットは、下記のとおりです。
■メスのワンちゃんの避妊手術 メリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・望まない妊娠の防止 ・生殖器系の病気やホルモンに関連する病気の予防 ・発情期に起こる問題行動や食欲減退による悩みが減る |
・繁殖行動ができなくなる ・手術時の全身麻酔による体への負担がかかる ・手術費用がかかる |
■オスのワンちゃんの去勢手術 メリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・生殖器系の病気やホルモンに関連する病気の予防 ・発情によるストレス、トラブルが減る ・臭いスプレー(マーキング)で悩まされることが減る |
・繁殖行動ができなくなる ・手術時の全身麻酔による体への負担がかかる ・手術費用がかかる |
ワンちゃんにどのように過ごしてほしいか、どうすれば一緒に幸せな生活が送れるかをよく考えた上で、手術の有無を決める必要があります。
手術をする場合は、避妊手術なら生後5-6ヶ月頃の発情期が始まる時期、去勢手術なら性成熟期を迎える前の生後半年から1年未満に行うのが一般的です。
ワンちゃんを飼うためにかかる費用は?
ワンちゃんは命ある生き物であるため、飼うとなるとさまざまな費用がかかります。
一般社団法人ペットフード協会「令和4年 全国犬猫飼育実態調査」によると、ワンちゃんを飼う上で生涯にかかる費用は、平均で388万2,754円といわれています。
この調査をもとに、ここでは、ワンちゃんを飼う上でかかる費用を1つずつ説明していきます。
初期費用
ワンちゃんを迎える際には、生体購入費用以外にも、さまざまな費用がかかります。
初期費用としてかかる主な項目は下記のとおりです。
・ワンちゃんの生体購入費
生体購入費用やブリーダーから譲り受けた場合に発生する費用。平均金額は17万6,604円といわれています。
・自治体登録料
ワンちゃんを飼い始めたことを自治体に登録する際にかかる登録料のことです。登録手数料は1頭につき3,000円程度。飼い始めてから30日以内に、住んでいる市区町村へ申請が必要となります。
・各種ワクチン接種費
狂犬病予防接種やワクチンの予防接種にかかる費用のこと。狂犬病ワクチンの接種料金は、1頭につき3,000円-4,000円。その他のワクチン接種料金は、動物病院によって値段は異なるものの、おおよそ3,000円-1万円程度です。これらのワクチン接種の費用は、毎年かかる費用にも含まれます。
・避妊&去勢手術費
避妊や去勢手術をする場合にかかる費用。平均金額は2万1,771円といわれています。
・各種飼育グッズ代
おもちゃ、ベッド、首輪、リード、お手入れ品、サークルなど、飼育するうえで必要なグッズを揃えるために必要な費用。ワンちゃんを飼い始める際にかかる費用の平均は、2万8,052円といわれています。
日常的にかかる費用
ワンちゃんと一緒に暮らす上で日常的にかかる費用の主な項目と平均金額は下記のとおりです。
■日常的にかかる主な費用の平均金額
費用の項目 | ひと月あたりの平均金額 | 生涯でかかる平均金額 |
---|---|---|
食費 | 7,807円 | 138万2,776円 |
トイレまわりにかかる費用 (例:ペットシーツ、おむつ、消臭スプレーなど) |
3,253円 | 57万6,171円 |
消耗品・日用品にかかる費用 (例:おもちゃ、お手入れ用品、洋服など) |
2,902円 | 51万4,002円 |
医療費
病気やケガなどで動物病院を受診するかと思います。一般的に大型犬は、小型犬より医療費がかかる傾向があります。また、ワンちゃんが年齢を重ねていくと病気が増えるため、医療費も増える可能性があります。ワンちゃん一生にかかる医療費は平均79万3,905円といわれています。
また、ワンちゃんを病気から身を守るためには、年に一回のワクチン接種や健康診断も受けなければなりません。
ワクチンの接種費用は、一回あたり約3,000円-5,000円程度、生涯かかる金額は平均7万8,232円といわれています。また、健康診断は1回あたり1万円程度で、生涯かかる金額は平均9万9,895円といわれています。生涯でみるとそれなりの金額になりますが、病気の早期発見や健康寿命を延ばすことにつながると考えれば納得できる金額といえるでしょう。
ペットサロン代
トリミングや爪切り・耳掃除などに、ペットサロンを利用することもあるでしょう。
ペットサロンを利用していると回答した世帯の平均値を算出すると、ペットサロンにかかる年間費用の平均は、小型犬で3万1,404円、中型犬で2万4,901円、大型犬で3万2,818円といわれています。
エアコン代
近年では、ワンちゃんを室内で飼育していることも多いため、夏や冬には外出時にもワンちゃんのためにエアコンをつけっぱなしにする方も多いです。
ワンちゃんのためにかかる電気代は、平均で年間1万95円、一生涯では14万9,002円といわれています。
マイクロチップ装着義務化とは?
2022年6月から、ブリーダーやペットショップで販売されているワンちゃんやネコちゃんには、マイクロチップを装着することが義務付けられました。
マイクロチップとは、直径1.2mm、長さ8mm程度の円筒形の機器のことで、15桁の番号に紐づけて飼い主さんの情報などが登録されています。マイクロチップは、獣医師によってワンちゃんの体に直接装着されるため、首輪や迷子札のように外れる心配がありません。迷子になったり、災害の際にはぐれたりしたときも、専用のリーダーでマイクロチップを読み取れば個体識別が可能です。
ブリーダーやペットショップ以外からワンちゃんを迎え入れる際も、安心・安全のためにマイクロチップの装着を検討しましょう。
なお、ブリーダーやペットショップから自宅に迎え入れたワンちゃんは、すでにマイクロチップに登録されている情報を更新する必要があります。環境省「犬と猫のマイクロチップ情報登録」、もしくは専用のコールセンターで変更手続きを行ってください。
ワンちゃんを飼うことで、飼い主さんの生活はどう変わる?
ワンちゃんを飼うことには責任が伴います。ただ「かわいい」「癒される」だけではなく、ひとつの命を預かる自覚を持って暮らさなくてはなりません。生活が変わることも覚悟して飼う必要があります。
ここでは、ワンちゃんを飼うことによる4つの生活の変化について説明します。
朝夕の散歩が必要になる
ワンちゃんの運動とストレス解消のため、基本的には朝夕1回ずつ散歩が必要になります。仕事をしている飼い主さんの場合、朝少し早く起きる・帰りに飲みに行くのを我慢するなどして、ワンちゃんとのお散歩の時間を捻出することも考えなくてはなりません。
長期間の外出ができない
ワンちゃんは長期の留守番に適した動物ではありません。一緒に出かけない場合はペットホテルや知人に預ける、ペットシッターに来てもらう等の対応が必要となります。
行けない場所ができる
ショッピングセンターやレストランなど、ワンちゃんを連れて入れない場所はたくさんあります。お気に入りのお店に気軽に行けなくなる、買い物の範囲に制限ができる等は、あらかじめ考慮しておく必要があります。
日頃のさまざまなお世話が必要になる
ワンちゃんを飼うという事は、ごはん、トイレのお世話、お手入れなど、ワンちゃんへのさまざまなお世話が毎日必要になります。そのため、基本的にワンちゃん優先の生活になることを頭に入れておきましょう。
仕事の都合などで、どうしてもワンちゃんのお世話が難しい場合は、親族や友人など信頼できる人に代わりにしてもらうか、ペットシッターに預けるなどの対応が必要です。
準備を整えて、ワンちゃんとの暮らしを始めよう
ワンちゃんとの新しい毎日に向けて、知っておきたいポイントをご紹介しました。ワンちゃんとの暮らしは楽しいだけでなく、責任が伴うものです。本記事を参考に、ワンちゃんとの生活の基盤を整えましょう。
よくある質問
ワンちゃんの飼い方Q&A
- ワンちゃんを飼う前の心構えとは?
-
ワンちゃんを飼うということは、そのワンちゃんの面倒を一生見るということ。毎日の食事はもちろん、散歩や排泄の処理、しつけ、安全管理、病気の予防などすべてが命を預かる飼い主さんの責任です。ワンちゃんと暮らす毎日はとても素敵なものですが、飼う前にきちんと情報を集めて検討してください。
- ワンちゃんを飼えなくなるケースは?
-
ワンちゃんを飼えなくなる主なケースとして、引っ越し先がペット禁止だった、家族にアレルギーが出た、近所からの苦情に対処できない、ワンちゃんが人を攻撃した、家族の介護や赤ちゃんの世話、飼い主さんが病気やケガのため面倒が見られない、などが挙げられます。
- ワンちゃんに出会う方法は?
-
ペットショップやブリーダーから購入する、一般家庭で生まれた子犬を譲り受ける、動物保護施設や里親募集しているところから引き取るなどの方法があります。
- ワンちゃんを選ぶ時の注意点は?
-
ルックスだけにとらわれず、性格や運動量、換毛期の有無などを踏まえてライフスタイルに合うワンちゃんを選びましょう。性格には個体差があるものの、純血種は成長後の性質が予想しやすく、飼いやすいワンちゃんを見つけやすいです。初めて飼うときは、従順で攻撃性が低くしつけがしやすい犬種がオススメです。
- ワンちゃんを迎える前に準備しておきたい環境やグッズは?
-
家族が集まるリビングなどを自由にさせる部屋に限定して、ペット用品をセットしておくと便利です。また、部屋の奥に寝る場所となるハウスを設置し、入口近くにトイレを用意すると快適に過ごすことができます。
- フードの与え方のポイントは?
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生後3ヶ月頃までは、子犬用のウエットフードやドライフードをふやかしたものを1日3-4回与え、成犬になった後は1日2回総合栄養食のフードを与えます。人の食べ物の中にはワンちゃんの命を脅かすものがあるため、注意が必要です。
- 散歩はどれくらい必要?
-
散歩は1日2回が目安です。散歩1回の時間は、小型犬なら15分-30分、中型犬なら45分程、大型犬なら60分以上を目安にしましょう。
- 避妊・去勢手術は必要?
-
避妊・去勢手術には、望まない妊娠を避ける、病気を予防する、発情期の問題行動を防ぐなどのメリットがある反面、全身麻酔による負担やホルモンバランスの乱れ、性格の変化などのデメリットもあります。愛犬にとって最善は何かよく考えて決めましょう。