【獣医師監修】猫におもちゃは必要？おもちゃの種類や選び方を解説

一口に猫のおもちゃといっても、種類は定番のものから凝ったものまで多種多様です。それぞれのおもちゃの特徴や遊び方を解説します。

猫じゃらしは、構造はいたってシンプルであるものの、猫たちを強く惹きつけることができる王道の猫のおもちゃです。
猫じゃらしには、棒の先端におもちゃ部分がついたタイプや、釣り竿のように紐がついていてその紐の先端に猫の好む形の人形がついているタイプなどがあります。人形の部分も、おもちゃによって鳥の羽毛やセロファンなどさまざまな素材のものが使われています。それぞれの素材により感触や音が違うため、猫の好みや興味の持ち方によって選びましょう。棒部分の長さによっても猫じゃらしの動きが変わるため、いろいろな種類を試してみてもよいかもしれません。

また、猫じゃらしは、動かし方を工夫することによって、いろいろな遊びができるおもちゃです。例えば、猫じゃらしで猫を遊ばせるときに、猫を走り回らせるばかりではなく、おもちゃ部分を跳ね上げてジャンプをさせたり、動きを緩めて焦らしてみたりするのがおすすめです。走り回るだけではなく合間にジャンプをさせることで運動量が増え、猫のカロリー消費も大きくなります。

猫は獲物を追いかけるときだけではなく、じわじわと獲物に狙いを定めるタイミングにおいても、大いに刺激を感じる動物です。猫じゃらしで猫と遊ぶときには、猫じゃらしの動きを緩めてみたり、カーペットの下やインテリアの隙間に隠しながら動かしてみたりするのもおすすめです。そうすれば、猫はソワソワし、目を見開いてお尻をフリフリしながら獲物を狙うポーズを見せてくれるかもしれません。

青色は猫の興味を引きやすい？！
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ぬいぐるみは、抱き枕のように前足で抱え込み、後ろ足でキックしたり噛みついたりして遊ぶおもちゃです。
素材はコットンやポリエステル、シリコンなどの猫が直接触れても危険のないものでできており、中には猫が噛みしめることによってデンタルケアができる素材のぬいぐるみもあります。また、ぬいぐるみの内部に猫の興味を引くような音が出るもの、マタタビやキャットニップ（西洋マタタビ）などが入っているものもあります。大きさは20cmから30cmくらいのものが多く、形状は細長いタイプが一般的です。魚の形をしていたりしっぽが生えていたりと数多くの種類があり、デザインや色はさまざまです。

また、猫は狩猟本能があるため、時々後ろ足でキックをすることがあります。単にじゃれつきたいときや、場合によってはやや不機嫌なときにも、蹴りたい欲求が出てきます。そんなときに役に立つのが、キック専用に作られたぬいぐるみである、けりぐるみです。
飼い主を蹴りつけてしまうのを極力防ぐためにも、時々はけりぐるみを与えることによって足でキックさせ、猫にエネルギーを発散させてあげるとよいでしょう。存分に蹴ることができるよう、けりぐるみは猫の体格に合わせ、前足で抱え込んだときに後ろ足が十分に届くものを選んでください。

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トンネルは、暗い場所や狭い空間に佇むことが大好きな猫にとって、潜在的な欲求を満たすことができるおもちゃのひとつです。中に隠れてゆっくりくつろいだり、走り抜けたりとそのときの気分でいろいろな遊び方ができます。
1m以上の長いトンネルや3つに道が枝分かれしているもの、道の途中に鈴やボールがついているものなど、いろいろなタイプがあります。大きなサイズのものでも折り畳みできるタイプがほとんどであるため、収納に困ることもありません。中には、キャリーバッグに変形できるタイプもあるため、外出先へ持っていくことも可能です。用途や各家庭の事情に合わせて選ぶのがおすすめです。
トンネル単体でも十分猫の興味を引きますが、時々トンネルの中にボールを転がしてあげたり、トンネルの外側からツンツンと押してあげたりすると、猫がより喜ぶでしょう。
ただし、多頭飼いの場合、複数の猫がトンネルに入ってケンカになってしまうことがあるため、注意が必要です。

通るとシャカシャカ音が鳴って楽しい
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ボール型おもちゃは、猫が転がしたり追いかけたりして遊ぶおもちゃです。
材質は毛糸、もしくはプラスチックでできているものが多く、大きさやカラーもさまざま。中に鈴などが入って音が鳴るタイプや、ボールの内部におやつを隠すことができるタイプなど、猫だけで遊んでも飽きない工夫がされているものも多いです。
ボール型おもちゃで遊ぶ際は、転がしてあげるだけでなく、遠くに投げてあげるのもおすすめです。また、ボールの表面にアルミホイルを巻いてあげると、ボールを転がしたときにシャカシャカという音が加わるため、猫がより興味を示してくれるでしょう。

使用上の注意点としては、子猫の頃は夢中でボールを追いかけすぎて思いもよらない隙間に入り込み、その場所から出てこられなくなってしまう危険があることです。そのため、特に子猫のうちは、飼い主の目が届く範囲で遊ばせることが大切です。

転がしたりツメでひっかけて遊ぶ
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電動おもちゃも猫が大好きなおもちゃのひとつです。電動おもちゃは動きの速度を何段階かに設定できるタイプや、タイマー機能を備えたタイプなどがあり、飼い主が何もせずとも自動で動くため、猫だけで遊ぶことが可能です。そのため、飼い主が外出しているときなどでも、電動おもちゃを使えば猫を退屈させないようにすることができます。
事故の心配はほとんどありませんが、たまに電池の状態のチェックなどをしておくとより安心でしょう。

横向きでも裏向きでも動き続ける！
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光で遊ぶおもちゃは、会議のときなどに使用するレーザーポインターのように、壁や床などに光を局所的に当てて遊ぶおもちゃです。部屋の中のあらゆる場所に光を移動させることができるため、猫が夢中になって追いかけてくれるでしょう。
光で遊ぶおもちゃの中には、LEDライトが使用されているタイプや、明るくても暗くても光がよく見えるタイプ、充電式のタイプなどさまざまな種類があります。

ただ、光は実体がなく猫は捕まえることができません。猫の満足度を上げてあげるためにも、光で遊ぶおもちゃだけでなく、猫が捕まえられるおもちゃも使用してあげると、猫の達成感が増します。
使用上の注意としては、猫の網膜は非常にデリケートで強い光を当てると失明してしまう危険性もあるため、おもちゃの光を猫の目に直接当てないようにしましょう。また、光で遊んであげる場合は必ず猫用のおもちゃの光のみを使用し、光の当て方にも十分気をつけてください。

猫の知育玩具とは、おもちゃの内部にごはんやおやつを隠して、猫にそれを取り出させるタイプのおもちゃです。
知育玩具で遊ぶことによって、猫は体を動かすだけではなく、頭を使って考えて遊ぶことができます。そのため、長い時間飽きずに遊び続けることができるでしょう。
また、おもちゃに集中して遊んでくれるため、お留守番や飼い主がかまってあげられないときなどのひとり遊びに最適です。頭をフルに使うことから、シニア猫の認知機能低下予防にも効果が期待できるといえます。

じゃらしの先におやつを隠して遊べる
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猫におもちゃを与えるのは、単に遊びの目的だけではありません。ではなぜ、猫にはおもちゃが必要なのでしょうか。
ここでは、猫におもちゃが必要な4つの理由について説明します。

猫がおもちゃで遊び、体や頭を使うことによってエネルギーを発散し、ストレス解消できます。猫は狩猟本能を持つ動物なので、普段室内で生活している猫は、狩りができずストレスを溜めてしまうこともあるでしょう。そのため、おもちゃを与えて遊ばせれば、疑似的に狩りを体験させ、猫のストレスを解消してあげられます。
また、猫がストレスを解消できれば、嚙みつきや粗相といった問題行動の軽減にもつながるかもしれません。

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先述のとおり、猫は狩猟本能を持つ生き物です。家の中で本当の狩りはできませんが、おもちゃで遊ぶことによって、獲物を捕まえる達成感や狩りの成功体験を疑似的に得ることができ、それが自信につながります。
もし、猫に自信がないと、必要以上のことにびくびくしたり同居猫とケンカになったとき反撃したりできなくなってしまうため、積極的におもちゃで遊び、猫に自信をつけてあげましょう。

おもちゃを通じて飼い主とのスキンシップがとれることも、猫におもちゃが必要な理由のひとつです。おもちゃで遊ぶことで、自然に飼い主との絆も深まります。元気に遊ぶ猫のかわいい姿を見ながら、飼い主も一緒に楽しみましょう。

猫は完全な室内飼いであれば、衛生的で安全な環境が守られています。しかし、室内にいると危険がほぼない反面、猫にとっての刺激も少なく、シニアになるにつれ認知症になってしまうおそれもあります。
おもちゃを与えて猫の脳を活性化させ、認知症の予防につなげましょう。あわせて、適度な運動を行うため、シニア期の体力低下の予防につながる側面もあります。

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猫に与えるおもちゃには選び方のポイントがあります。どのようなことに気をつけて選んであげるとよいのかをご紹介します。

おもちゃのサイズが小さいと、誤って飲みこんでしまう危険性があるため、小さいサイズのおもちゃは避けましょう。
特に子猫の頃は、人間の子どもと同様に何にでも興味を示し口に含んでしまうかもしれません。口にすっぽり入ってしまうサイズのおもちゃは与えないよう気をつけてください。また、ネズミの模型のおもちゃにみられるような周りに被毛をかぶせたものでは、毛皮の部分が剥がれてそれを誤飲してしまうトラブルが多くみられます。おもちゃの材質にも注意が必要です。

猫によって遊び方や好みはさまざまです。例えば、猫じゃらしを与えても興味を示さないからといって、うちの子はおもちゃでは遊ばないと決めつけてしまうのは早計です。
おもちゃには形、音、手触り、遊び方によってさまざまなタイプがあります。いろいろ試してみて、その猫が一番楽しく遊べるおもちゃを探し出してみましょう。

猫にとって、おもちゃは獲物です。本気を出して遊ぶため、華奢な作りのおもちゃだとすぐに壊してしまうおそれがあります。そのため、耐久性の高いおもちゃかどうかが重要です。
万が一、壊れたおもちゃで猫が遊んでしまうと猫の体が傷ついてしまうなどの危険があるため、おもちゃを買う際には丈夫なおもちゃかどうかを十分に確認しましょう。また、すでに壊れているおもちゃは使用しないように注意が必要です。

猫のために選んだおもちゃは、できるだけ長く使ってもらいたいものです。猫にすぐ飽きられてしまうことなく、おもちゃで遊んでもらうためにはどのようなコツが必要なのでしょうか。ここでは、猫をおもちゃに飽きさせないためのコツを紹介します。

猫とおもちゃで遊ぶときは、猫が狩りをする対象であるネズミや鳥の動きに似せて動かすのがポイントです。
ただ左右、上下に動かすだけではなく、動と静の動きを意識しておもちゃを動物に見立てて動かしてあげましょう。そうすることで、猫は狩猟本能が掻き立てられ、獲物を追う気分になっておもちゃに飛びついてくるはずです。

おもちゃで遊ぶのは特別なときだけと猫に感じさせるため、基本的に遊ばないときには、おもちゃは猫の目につかないところに片づけてください。
いつでもおもちゃが見える環境にあると、猫にとって特別感がなくなり、おもちゃへの興味を失う原因となります。毎回新鮮な気持ちで集中しておもちゃで遊ぶためにも、おもちゃはその都度片づけるよう心掛けましょう。

猫がおもちゃで遊ぶときのゴールは、おもちゃを捕まえることです。猫にとっておもちゃは獲物であるため、捕まえることで狩りの一連の動きが完結します。そのため、タイミングを見計らいつつ、時々は捕まえさせてあげることが大切です。
猫と遊んでいると捕まえようとする姿がかわいくて、つい捕まえられないようにおもちゃを動かしてしまいがちですが、意地悪のしすぎには注意しましょう。何度追いかけてもおもちゃが捕まえられないと、どんなにがんばって追いかけてもこの獲物は捕まらないと、猫が思い込んでしまい、そのおもちゃへの関心を失ってしまいます。

ついつい猫も飼い主も夢中になって遊んでしまうことがありますが、おもちゃで遊ぶ際には10分程度を目処にするのがおすすめです。
10分以上遊んでいると猫自身の息もあがってきますし、おもちゃを捕まえられないことにイライラし始めることもあります。ストレス解消が目的のはずが、ストレスを溜めることにもなりかねません。猫と遊ぶときは、適度に時間を区切って遊ぶようにしましょう。猫によって個体差がありますので、様子を見ながら適宜調節することが大切です。

猫用のおもちゃは、ペティオにも数多く取り揃えています。ここでは、特におすすめの商品3点をご紹介します。

猫にとっておもちゃとは、日々のストレス解消や認知症の予防もでき、飼い主とのスキンシップにも欠かせない、なくてはならないアイテムです。
猫の狩猟本能を満たし、おもちゃに飽きさせることなく遊ばせるためにも、猫の好みに合ったおもちゃを選び、遊び方にも工夫をするようにしましょう。