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この記事では、ネコちゃんの肥満の基準や、ダイエットのポイント、ダイエット時にもオススメのアイテムをご紹介します。ネコちゃんの体重や体型が気になっている飼い主さんは、ぜひご参考にしてください。(最終更新日2024年10月30日)
目次
ネコちゃんの太りすぎは病気のもと。適切な体重管理をしよう
ネコちゃんの太りすぎは、糖尿病や心臓病、関節炎などの深刻な健康問題を引き起こすリスクがあります。健康的な標準体型を維持するためには、バランスの取れた食事と定期的な運動が不可欠です。飼い主さんによる日々のケアと適切な食事管理で、愛猫の健康を守りましょう。
個体差はありますが、ネコちゃんの肥満の基準は定められています。まずは愛猫にダイエットが必要かどうか、見極める方法をご紹介します。
愛猫の適正体重を把握する
ネコちゃんは個体差が大きいため、愛猫の正確な適正体重を知るには獣医師へ相談することをオススメします。猫種にもよりますが、成猫であれば3~5kgくらいが適正体重です。参考として、猫種ごとの適正体重を下記で紹介します。
<猫種による適正体重>
- ・シンガプーラなどの小型猫種:2~3kg
- ・混血猫(ミックス)などの中型猫種:3.5~5kg前後
- ・メインクーンやラグドールなど大型猫種:6~10kg前後
ネコちゃんの適正体重が把握できたら、定期的にネコちゃんの体重を量り、健康管理の目安にしましょう。動物病院の定期検診で量るほか、飼い主さんがネコちゃんを抱っこして体重を量り、飼い主さんの体重を引く方法がオススメです。
ボディコンディションスコア(BCS)でチェック
ネコちゃんにダイエットが必要か見極める一定の基準として、ボディコンディションスコア(BCS)と呼ばれる指標があります。これはネコちゃんの見た目とふれた状態から、ネコちゃんの体型を評価するものです。
過度に太ったり、痩せたりしていなければ、成長(体重増加)が止まる生後12ヵ月頃の体型がその子の理想体型・体重の目安といわれています。下記の表でいうと最も痩せているのがBCS1で「痩せ」、中央値であるBCS3の体型が「理想体型」といえます。一番右のBCS5は「肥満」です。愛猫の体の状態を客観的にチェックし、健康管理に役立ててください。
■猫のボディコンディションスコア
※出典 環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」
ネコちゃんのおなかのたぷたぷとしたお肉は肥満?
ネコちゃんのおなかがたるみ、たぷたぷとしたお肉があることを心配する飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。ネコちゃんのおなかのたぷたぷとした部分はルーズスキンと呼ばれ、脂肪ではなく、伸びた皮膚です。このルーズスキンは、猫が狩りをする際に腹部を保護し、後ろ足を動かしやすくする役割もあります。
ルーズスキンが目立つからといって、必ずしも肥満というわけではありません。気になる場合は、ルーズスキンの奥に脂肪がついているか、獣医師に確認してもらうと良いでしょう。
ネコちゃんが肥満になる原因
ネコちゃんが肥満になる原因は、いくつかあります。肥満の原因を探り、正しいダイエットにつなげましょう。ネコちゃんが肥満になる原因は、下記のとおりです。
遺伝的に太りやすい猫種
ブリティッシュショートヘア、スコティッシュフォールド、マンチカン、アメリカンショートヘアなど、短毛でヨーロッパ原産の猫種は比較的太りやすいといわれています。愛猫がこれらの猫種の場合は、特に太らないよう注意してあげて下さい。
適正カロリー以上のごはんやおやつの与えすぎ
猫種や年齢、個体差によって違いはあるものの、ネコちゃんそれぞれが1日に必要なカロリー量は決まっています。適正カロリー量よりも多いごはんやおやつを与えていると肥満につながります。
そのため、飼い主さんが愛猫の適正カロリー量を把握し、コントロールすることが大切です。
おやつの過剰摂取はネコちゃんの肥満の原因となります。おやつは飼い主さんからの愛情表現の1つで、コミュニケーションにもなりますが、与えすぎるとカロリーオーバーになってしまいます。
1日の総摂取カロリーを管理し、適切な量のおやつを選びましょう。おやつを与える頻度も見直し、健康的な体重管理を心掛けることが大切です。
運動不足
運動不足は、ネコちゃんの肥満を招く原因の1つです。室内で過ごしているネコちゃんは、どうしても運動量が少なく、消費カロリーが少なくなってしまいます。消費カロリーが少ないと、摂取カロリーとのバランスが崩れ、肥満につながります。
おもちゃやタワーを活用して、生活の中でネコちゃんが活発に遊べる環境を整え、自然な運動を促しましょう。また、飼い主さんとの遊び時間を増やすことも効果的です。
多頭飼いの影響
複数のネコちゃんを一緒に飼っている場合、一部のネコちゃんが他のネコちゃんのごはんを食べてしまうことがあります。他のネコちゃんのごはんまで摂取してしまうと食事のバランスが崩れ、肥満や栄養不足の原因となります。
それぞれのネコちゃんの食事量を個別に管理し、食べすぎを防ぐ工夫が必要です。ケージや部屋を別にしてごはんをあげ、残したごはんは片付けるのも有効です。
避妊・去勢手術の影響
去勢・避妊手術後のネコちゃんは、性ホルモンの減少により基礎代謝が低下し、太りやすくなります。術前と同じ量のごはんやおやつを与えていても太ってしまうことがあるため、術後は特に注意が必要です。避妊・去勢手術後用のフードや低カロリーフードなどに変更し、意識的に運動量を増やす工夫をしましょう。
加齢の影響
ネコちゃんは、年を重ねるにつれ筋肉量が減り基礎代謝が低下します。合わせて運動量も落ちるため、若い頃と同じ量の食事を続けると太ってしまうこともあります。年齢や運動量に合わせた食事量への調整や、シニア向けフードへの切り替えを検討しても良いかもしれません。
肥満が原因となる主な病気
ネコちゃんの肥満は、多くの病気の原因となります。愛猫にずっと元気でいてもらうためにも、適正体重の維持は大切です。ネコちゃんの肥満が原因でかかる主な病気は下記のとおりです。
■肥満が原因でかかる主なネコちゃんの病気
ネコちゃんのダイエットは適切な食事と運動が基本
ネコちゃんのダイエット方法は、適切な食事と運動の改善が基本です。まず、低カロリーで高繊維のダイエットフードを選び、満腹感を保ちながらカロリー摂取を抑えます。そして、愛猫の運動の機会を増やすために、おもちゃを使った遊びやタワーの活用が効果的です。筋肉をつけることで基礎代謝を上げ、健康的な体重管理をサポートしましょう。
ダイエットを始める際は、飼い主さんが主体性を持って取り組むことが大切ですが、自己流のダイエットは厳禁です。獣医師に相談し、最適な方法で計画性を持って適正体重を目指していきましょう。定期的に獣医師に経過を報告し、助言をもらうことをオススメします。
ネコちゃんのダイエット【食事編】
ネコちゃんのダイエットで食事を改善するには、まずは愛猫の1日に必要な適正カロリー量を把握することが必要です。年齢や個体差によって適正カロリー量は変わるため、かかりつけの獣医師に相談してください。
ネコちゃんに必要な1日のカロリーの計算方法
ネコちゃんに必要な1日のカロリーの目安について簡単な計算方法をご紹介します。まず、ネコちゃんに必要な1日のカロリー量を計算し、ネコちゃんそれぞれの個体の係数をかけてください。
<個体ごとの係数>
生後1歳まで | 2.5 |
避妊・去勢済み | 1.2 |
未避妊・未去勢 | 1.4 |
肥満 | 1.0 |
ダイエット | 0.8 |
例)現在体重が5kgで、減量が必要なネコちゃんの場合
5×30+70=220×0.8=176kcal
ただし、個体差があるため参考値とし、詳しくは獣医師に相談してください。
愛猫の1日に必要な適正カロリー量を把握したら、カロリーオーバーしないように食事を管理しましょう。キャットフードやおやつのパッケージにはカロリーや給与量の目安が記載されているので参考にし、与える量を調整してください。
ネコちゃんの食事の改善方法について、主食のごはんと間食のおやつに分けてご紹介します。
ごはんの改善ポイント
ネコちゃんのダイエットでごはんを改善する場合、与える量や回数の見直し、ダイエットフードへの切り替えなどといった方法があります。
ネコちゃんは食事量が極端に減ると、肝リピドーシスという病気にかかる可能性があります。ダイエットを始める際には、あげる量を極端に減らさないことが大切です。低カロリーのダイエットフードなら、あげる量を極端に減らすことなく食事管理が出来るので、満足感を得ながら体重を落とすことができます。
味に敏感なネコちゃんの中には、ダイエット用フードに切り替えると食いつきが悪くなる子もいるかもしれません。ごはんは一気に切り替えず、いつものごはんに少しずつダイエット用フードを混ぜるのがポイントです。数日かけてダイエット用フードの割合を増やし、食いつき具合を見ながら最終的にダイエット用フードに完全に切り替えるようにしてください。ふりかけやペーストタイプのおやつをごはんにトッピングすることで、食いつきが良くなることもあります。
ネコちゃんのダイエットはあくまでも緩やかに行うことが大切です。ネコちゃんの様子をみながら取り組みましょう。
おやつの改善ポイント
おねだり上手のネコちゃんに根負けし、おやつをついたくさん与えすぎる飼い主さんも多いものです。しかし、おやつは嗜好品であり、あげすぎると肥満につながります。ネコちゃんのおやつの量は、前述した1日に必要なカロリーの20%までが理想です。おやつ分のカロリーを差し引いてごはんの量を調整するなど、飼い主さんが管理してあげてください。
おやつは間食とはいえ、飼い主さんからの愛情表現やコミュニケーションとしても大切なものです。おやつをあげるなら、低カロリーなものを選ぶほか、1回分の量を減らして回数を増やしてあげるなど、工夫をしてみてください。
オススメアイテム
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プラクト ねこちゃんの 総合栄養食 無添加 ササミペーストプラズマ乳酸菌配合のペーストおやつ。
総合栄養食タイプだから、栄養バランスを崩すことなく与えることができます。
おやつとしてだけでなく、トッピングにもオススメ。
ネコちゃんのダイエット【運動編】
室内で暮らすネコちゃんは、運動不足になりがちです。運動不足になると消費カロリーが減り、肥満につながります。運動不足のサインとしては無気力や、トイレの失敗、過度なグルーミングなどのストレス行動が挙げられます。
ネコちゃんの健康維持のために、毎日の暮らしの中で上手に運動を取り入れましょう。タワーやキャットウォークなど、ネコちゃんが自然に上下運動できる環境を整えてあげるのもオススメです。
その他、飼い主さんとの遊びを通して、十分な運動量を確保してあげましょう。猫種や年齢にもよりますが、1回あたりは5分程度、1日複数回、合計で15~25分を目安に遊んであげてください。毎日たっぷり遊んであげることで、運動不足の解消だけでなく、ストレス発散や飼い主さんとのコミュニケーションにもつながります。ネコちゃんがひとりで遊べるおもちゃを用意してあげるのも良いかもしれません。
ダイエット中のネコちゃんにオススメのアイテム
ネコちゃんの肥満リスクを理解し、健康管理を心掛けよう
ふっくらとしたネコちゃんは愛らしいものですが、肥満はさまざまな病気につながるため、適正体重から外れないことが大切です。まずは愛猫を太らせないこと、そしてもしも肥満であることがわかったら、ネコちゃんのストレスにならないよう緩やかにダイエットを始めてください。食事管理のほか、ネコちゃんが自然に運動できる環境や機会をつくってあげることが大切です。獣医師に相談しながら、健康的にダイエットしましょう。
よくある質問
ネコちゃんのダイエットQ&A
- ネコちゃんの肥満の原因は?
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遺伝によって太る猫種もありますが、主に「適正カロリー以上のごはんやおやつの摂取」「運動不足」「去勢・避妊手術の影響」などの原因が考えられます。
- ネコちゃんにオススメのダイエット方法は?
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食事と運動の改善が基本です。飼い主さんは、愛猫に必要な1日の適正カロリーを把握し、ごはんとおやつの量を決めてください。
ネコちゃんが自然に上下運動できる環境を整えたり、おもちゃを使って遊んであげたりして運動量を確保してあげることも大切です。
- ダイエット用フードへの上手な切り替え方は?
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味に敏感なネコちゃんは、全量をいきなりダイエット用フードに切り替えるとうまくいかないかもしれません。いつも食べているごはんに少しずつダイエット用フードを混ぜ、日にちをかけて徐々に慣らすようにしてください。