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しかし、毎回トリミングサロンに行くのは大変という方も多いのではないでしょうか?
そこで、自宅での犬の被毛ケアとして、使用するバリカンのやり方や注意点、バリカンの選び方などについて解説します。(最終更新日2024年5月14日)
目次
監修
東京都足立区足立3丁目12-7
2005年から都内の動物病院にて看護師として勤務。病気や高年齢を理由にトリミングサロンにお断りされた動物たちとたくさん出会い、数多くの動物ケアを経験。快適な生活を提供できるとペットも飼い主も笑顔になることにやりがいを感じるようになり、技術向上のためにトリミングスクールへ2014年に編入。動物医療グリーフケアに関しても恩師のもとで学びを深め、2023年にアドバイザーの認定を取得。
動物病院の枠を越えてペットと飼い主にもっと近づき、笑顔と心を大切にするサロン「Care Salon h(ケアサロンアッシュ)」を同年2023年に開業。現在は、店舗でのグルーミングに加え、Instagramで動物医療グリーフケアアドバイザーとして発信しながらオンラインでペットと飼い主のハッピーライフをサポートしている。
犬の手入れにバリカンが必要になるのはいつ?
犬の手入れにバリカンが必要になるタイミングについて、1つずつ詳しく説明します。
毛玉ができやすい犬種への細やかなケアをしたいとき
特に長毛種の犬は毛玉ができやすいため、こまめにケアをしてあげることが大切です。まだトリミングサロンに行くほど被毛が伸びきっていないものの、毛玉ができていたり気になったところがあれば、バリカンでカットしてあげましょう。
肉球の間の被毛を手軽に処理したいとき
肉球の間の被毛は、放っておくとすぐに伸びてきます。伸びすぎてしまうと、フローリングで滑って転ぶなどの危険があります。また、滑りやすいと関節へ負担がかかるので、シニア犬は特に注意が必要です。
自宅で全身の被毛をカットしたいとき
病気やケガ、加齢などでサロンに行けなかったり断られたりしたときも、自宅で手軽にケアできます。
また、自宅だと一度にすべてカットしなくても良いので、犬への負担も軽くなります。
顔やおしり周りの汚れが気になるとき
バリカンを使ってカットする前に準備するもの
おうちで被毛カットを行う際は、あらかじめ必要な物を準備しておきましょう。準備すべきものは下記のとおりです。
<おうちでの被毛カットのために準備する物>
・ペット専用のバリカン
・ブラシやコーム
・ご褒美用のおやつやおもちゃ
バリカンとブラシやコーム、おやつが揃ったら、被毛ケアに必要な道具の準備はOKです。飼い主としては「早速、愛犬の被毛カットに挑戦したい!」と思うはず。
しかし、犬の立場からすると、バリカンは初めて見るものになります。初めのうちはバリカンに対して警戒心を抱くはずでしょう。そのため、おうちで犬の被毛カットをする際には、あらかじめバリカンに慣れさせておくことが大切です。
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犬の被毛をバリカンでカットする際の注意点
犬の被毛をバリカンでカットする際の3つの注意点をご紹介します。
あらかじめブラシで被毛の絡まりを取っておく
なるべくリラックスできる環境で行い、嫌がる手前でやめる
犬にバリカンを使う際は、なるべく警戒心を抱かせないよう、普段から犬がくつろいで過ごしている場所や犬が落ちつける環境で行うことが大切です。
また、嫌がるそぶりを見せたらすぐに手を止め、ここまでできたことを褒めてあげましょう。
一気に全部やろうとしない
犬が落ち着いている時や、被毛が伸びていることに気づいた時などに、1か所から気軽にカットできることが、おうちトリミングのメリットです。一気に気になる場所を全てカットしようとすると、犬も飼い主も疲れてしまいます。様子を見ながら少しずつ進めていきましょう。
バリカンに慣れさせるための方法とは?
犬のバリカンへの警戒心をやわらげるためには、日常的にバリカンを目に触れさせておくことが大切です。
犬は普段から飼い主のことをよく見て、話をよく聞いている動物です。そのため、バリカンを購入したらまず「これはお手入れのときに使うものだよ」と話しかけるなどして、バリカンが危険なものではないことを認識させます。
次のステップとして、電源が入っていないバリカンを犬に軽く当てて、徐々にバリカンに慣れさせていきます。バリカンにタッチができたらご褒美をあげてたくさん褒めてあげましょう。
自宅で被毛をカットしても問題ないのは、どの部位?
ここでは、プロのトリマーに頼ることなく飼い主が自宅で被毛をカットできる部位について、カットが必要な理由とともに解説します。
足まわり
肉球まわりの被毛が伸びるとフローリング等で滑りやすくなり、足腰や関節に負担がかかるので、軽くカットしてあげましょう。
特に手足の短いダックスフンドや足腰の弱いシニア犬は、足腰や関節を痛めやすいので注意が必要です。
ただし、足まわりの被毛をカットする場合、足元に触れられる信頼関係が愛犬と築けていることが大前提です。自宅でのバリカンカットに挑戦する前に、まずはたくさんふれあい、愛犬に安心感を与えておきましょう。
お尻まわり
お尻まわりの被毛は、長くなればなるほど排泄物がついて汚れやすくなります。そのため、伸びてきたら適宜カットしてあげることが大切です。
また、カットの際は肛門を傷つけないよう、十分に注意しましょう。
顔まわり
顔まわりの被毛のカットは、長毛種や耳の毛が長い犬などに必要なケアです。ただし、犬が急に動いたときにケガをするリスクが高いため、目や耳、口に近いところは無理のない範囲で行うようにしましょう。
長く伸びた汚れやすい被毛を必要に応じてカットして清潔に保ってあげるのがおすすめです。
お腹まわり
お腹まわりも、排泄物がついたり、長毛だと地面にこすれたりして汚れやすい場所です。暑さ対策のためにも全体の被毛を短くカットしたいところですが、お腹のケアを嫌がる犬も少なくありません。被毛で隠れている乳首や皮膚を傷つけないように、バリカンを持つ反対の手で十分に皮膚の位置や乳首の位置を確認して行うようにしましょう。
【部位ごとに解説】バリカンでのカット方法やコツ
バリカンを使ってカットする場合、具体的にはどのようにカットすればよいのでしょうか。
ここからは、犬の被毛をバリカンでカットする方法やコツについて、部位ごとにご紹介します。
足まわりのカット方法
足まわりの被毛をカットする際は、まずは優しく声をかけながら台の上に乗せ、犬を優しく横から抱きかかえて体勢を安定させます。無理に押さえつけるような形にならなければ、2人がかりで行うのもおすすめです。小型犬なら、ひざの上に乗せるだけでカットすることができます。
次に、足の関節を優しく持ち上げ、足裏を確認します。バリカンを持つ手とは反対の手で足を支えながら持ち、爪の方から大きい肉球に向かって、バリカンの刃を皮膚と水平に動かしながら被毛をカットしましょう。この時、足を持つ手に力を入れすぎると犬が嫌がることがあるため、優しく持つことを心がけましょう。
また、アキレス腱周辺をカットするときは、後ろ脚が不用意に動いてケガをしないよう、脚の動きが止まっているタイミングでバリカンを動かしましょう。加えて、脇の下や後ろ脚の付け根の前方は皮膚が伸びやすく、バリカンで傷つきやすい場所です。そのため、バリカンでカットする際は、手で皮膚を確認して平らにならしながら慎重にカットしてください。
お尻まわりのカット方法
お尻まわりの毛は、尻尾を持ち上げた状態でカットしていきます。このとき、声をかけながら優しく尻尾をもちあげることが重要です。
間違っても肛門の皮膚に刃が当たらないよう、刃を常に肛門の内側から外側に向けて動かし、肛門まわりを一周する形でカットしましょう。
目視で尻尾の下に肛門が見えるまでカットできればOKです。
お尻まわりは特に敏感な子が多く、初めてのおうちトリミングでは急に座り込んでしまうことがあるため、犬の急な動きに気を付けながら無理のない範囲で行いましょう。
顔まわりのカット方法
前述の通り、顔まわりはケガにつながりやすい部位です。そのため、顔まわりにバリカンを使う際は、刃を目に向けない・舌に刃をあてない・耳の皮膚を確認しながらカットするなど、細心の注意を払いながら慎重に丁寧にカットしましょう。
その他、たてがみは汚れが付きやすいため、不要な部分は毛の流れに沿ってカットしましょう。この時、ヒゲを切り落とさないように注意してください。
お腹まわりのカット方法
長毛の犬や雄の犬はお腹まわりにも排泄物がつきやすいため、お腹まわりにバリカンをあてる際は、ペニスの前方の被毛を短くカットしてください。
このとき、ペニスにバリカンの刃が向かわないよう、ペニスを起点としてバリカンを犬の体の前方に動かすイメージでカットするのがポイントです。また、お腹まわりをカットする際は乳首を傷つけてしまわないよう、皮膚を伸ばして位置を確認しながら行いましょう。
雌の犬は排泄で汚れやすい部分がある場合、無理のない範囲でカットしましょう。また、脇の下も放置すると毛玉ができやすいので、定期的にチェックして伸びてきたらその都度カットやブラッシングをしてあげましょう。
ただし、脇の下はバリカンをあてづらく皮膚を傷つけやすい場所です。そのため、バリカンでカットする際はしっかり皮膚を伸ばし、皮膚の位置を確認しながら行いましょう。どうしても犬が動いてしまう場合は無理にカットせず、落ち着いている時に行いましょう。
体全体のカット方法
犬の体全体の被毛を短くカットして通気性をよくするサマーカットは、抜け毛が減って毛玉ができにくくなり手入れがしやすくなるため、飼い主側にもメリットがあります。しかし、体を紫外線などから保護するという被毛の働きを失ってしまう可能性もあるため、多少の被毛は残すようにするのがおすすめです。
自宅でバリカンを使ってサマーカットを行う場合、全体を均一に仕上げるため、皮膚を伸ばしながらカットするのがポイントです。ただし、ポメラニアンやシェルティー等の犬種の子は、バリカンをかけた後の被毛の状態に変化が出る場合があるので、愛犬の特性をよく理解した上で体にバリカンをかけるようにしましょう。また、シニア犬はイボができやすく、イボがバリカンに引っかかることがあるため注意が必要です。
犬がバリカンを嫌がる場合の対処法
バリカンを嫌がる場合、犬がバリカンを好きになるような工夫をしましょう。
前述のとおり、犬は飼い主の言葉をよく聞いている動物です。そのため、バリカンを使う前に「なぜやるのか・どんなことをやるのか」を丁寧に言い聞かせてあげることが大切です。バリカンが終わったらたくさん遊んであげたり、大好きなおやつをあげるなど、ご褒美と結び付けてトレーニングしてあげましょう。
また、飼い主の手際が悪く、体を押さえつけられる時間が長くなってしまうと、犬はストレスを感じてしまいます。バリカンを初めて使う際は、事前に操作方法を確認して、扱い方を覚えておきましょう。
犬用のバリカンの選び方
犬用バリカンを選ぶ際に意識すべきポイントを4つご紹介します。
ペット専用のバリカンを選ぶ
人間用のバリカンは、動物用のバリカンよりも刃のミリ数が大きいため、犬の皮膚を傷つけるリスクがあります。やわらかい犬の毛をスムーズにカットできるよう、必ずペット専用のバリカンを用意してください。
カットしたい部位に適したバリカンを選ぶ
犬がバリカンを嫌にならないよう、バリカンでカットする際はとにかくスピーディーに終わらせる必要があります。そのためにカットする部位に適したバリカンを選びましょう。
体全体をカットする場合は広範囲を一気にカットできる刃幅の広いバリカン、細かいところをカットする場合は取り回しがしやすい刃幅の狭いコンパクトなバリカンがオススメです。
音が静かなバリカンを選ぶ
大きな音や振動は、犬の恐怖心をあおります。静音設計で、モーター音があまり気にならないものを選んでください。安全に注意しながらスイッチを入れ、あらかじめ音を聞かせておくことも有効です。
切れ味の良いバリカンを選ぶ
パワーがあり切れ味の良いバリカンを使用すると、短時間でサッとカットできます。また、バリカンの刃は使用する度に少しずつ消耗していくので、切れ味が悪くなる前に定期的に交換しましょう。
切れ味の悪くなった刃をそのまま使っていると、犬の皮膚を傷つける恐れがあるので注意が必要です。
犬の被毛ケアにオススメなペティオのバリカンをご紹介
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SelfTrimmer セルフトリマー コードレスバリカン プロフェッショナル レギュラー愛犬の毛量・毛の太さに合わせた回転数や、刈上高さスライドやショートからロングまで調整できるアタッチメントなど、求めるシルエットにカットできるこだわりの機能を搭載したバリカン。
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Self Trimmer セルフトリマー コードレスバリカン コンパクト足やお尻まわり・フェイスラインなどの狭い面のカットに最適なバリカン。4タイプの長さにカットできるアタッチメント付き。
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Self Trimmer セルフトリマー コードレス バリカン スモール ネイルケア 2WAYヘッドを交換して、足や顔、お尻まわりなどのこまかい部分をカットできるバリカンと、削り幅3タイプのネイルケアができるアイテム。
<商品の特徴>
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