特集/Pickup
ワンちゃんのことは、
常にきれいにしてあげたい。
飼い主さん誰もがそう思っているはず。
そこで今回は、
身近なお手入れ方法をご紹介します。
コツを押さえたお手入れで、ワンちゃんの
キレイと健康を保ってあげましょう!
ブラッシングの役割って?
ブラッシングには毛並みを整えるだけでなく血行促進やマッサージの効果もあり、皮膚や被毛の健康を保つために欠かせません。ブラッシングしながら体の変化をチェックできるので、病気の兆候に早く気づく可能性も高まります。ワンちゃんとのスキンシップも兼ねて、ブラッシングの習慣作りをしましょう。
ワンちゃんの爪切りが必要な理由
ワンちゃんやネコちゃんの爪も人間と同じように伸びますが、ネコちゃんと違いワンちゃんは自分で爪をとぎません。爪が伸びると、滑ったり転んだりと歩行が安定しないので、関節や腰を痛める原因になる可能性もあります。また、肉球に刺さったり、何かに引っかかって折れたり抜けたりケガをすることも。
できる範囲で、爪切りにチャレンジしてみましょう。
ドッグサロンポラリスの
オーナートリマーである星洋輔さんに、
おうちでのブラッシングと
爪切りのポイントをお聞きしました。
監修
Dog salon Polaris
オーナートリマー 星 洋輔さん
学生時代からドッグショーに携わり、犬種の起源や本質などの知識・技術を学び、
ミニチュア・シュナウザーやテリア犬種を得意としています。
基本的なブラッシングのアイテムと選び方
1スリッカー
絡まった毛束や毛玉をほどいてときほぐしたり、ムダ毛や抜け毛、余分なアンダーコート(皮膚に近い柔らかい毛)を取り除いたりします。
ワンちゃんを初めてお迎えする飼い主さんにも、最初の1本としておすすめしたいアイテムです。
2コーム
ブラッシングの後、もつれや毛玉ができていないか確認し、毛並みを整えるために使います。
3ピンブラシ
毛足の長いワンちゃんや長毛種向きです。耳やしっぽなど、毛足が7~8cm以上あるような場所にも使います。
4つや出し
ブラシ
短い被毛のワンちゃんや、短毛種(ラブラドールレトリバー、フレンチ・ブルドッグ、ビーグルなど)の、主に背中のつや出しに使います。
5ラバー
ブラシ
短い被毛のワンちゃんや、短毛種(ラブラドールレトリバー、フレンチ・ブルドッグ、ビーグルなど)の抜け毛予防に使います。
短毛種(ラブラドールレトリバー、フレンチ・ブルドッグ、ビーグルなど)の場合は、最初の1本はラバーブラシがおすすめです。
ブラッシングのやり方
~準備編~
スリッカーの力加減をチェック
まずは自分の腕の内側など、皮膚の薄い場所にスリッカーを当てて、力の入れ具合を確認。痛くない強さの感覚をつかみましょう。
スリッカーのとがった先端は、力を入れすぎるとワンちゃんの皮膚を傷つけてしまいます。
POINT
スリッカーはぎゅっと握るのではなく、指2~3本で支えるくらいの力で持ってみてください。力を入れない状態を常にキープするのがコツ。ブラッシング中も、力を入れすぎていないか時々チェックしてみてください。
ブラッシングしやすい体勢に
ワンちゃんがリラックスして、飼い主さんもブラッシングしやすい体勢であればOK。じっとしていられない子は、散歩用のリードで行動範囲を制限してあげても良いでしょう。
POINT
ブラッシングスプレーは静電気や摩擦を防いだり、被毛のもつれをほどきやすくします。被毛に直接スプレーして、全身に満遍なく行き渡るよう、40~50cmほど離して吹きかけます。
ブラッシングのやり方
~実践編~
STEP 1
胴体→手足→首回りの順に
毛流れに沿ってブラッシング
まずは触られても抵抗が少ない場所からスタート。毛の根元から「少しずつ」かき分けるように確認しながら、毛の束をほどくようにとかします。もしマダニを見つけても、無理に取ろうとしないで病院へ。
胸元からおなかは乳首があるので、なるべく地肌に触れずにとかしましょう。前足・後足は最も汚れやすいところなので、念入りにチェック。
STEP 2
コームで仕上げ・
顔周りを整える
スリッカーでとかし終わったら、コームで仕上げます。スリッカーと同じように、毛流れに沿って整えましょう。
顔周りをとかす際は慎重に。毛玉は無理にとかさず、目にコームが当たらないよう十分に気をつけてください。顔をしっかり押さえて固定しましょう。
ブラッシングのポイント
引っかかったときに無理にとかそうとするのはNG!
引っ張ると毛が抜けてワンちゃんが痛い思いをします。無理に引っ張らず、
スリッカーで引っかかる場所をほどいてあげてくださいね。
毛玉やもつれになりやすい場所
毛玉ができやすいのは、耳の後ろや脇、足の付け根やしっぽの付け根、足先など。
体の擦れやすいところは、毛玉の要注意ポイントなので、ブラッシングの際に意識してチェックしてあげましょう。
毛玉やもつれを見つけたら
毛玉を見つけたら指でほぐし、スリッカーブラシで少しずつブラッシングします。毛玉を中心に、いろいろな方向にほどくようにとかしましょう。
毛玉処理のポイント
毛玉を切ったり裂いたりするとケガにつながる危険があるので、避けたほうが安全です。大きくて処理しきれない毛玉はプロにおまかせしましょう。
日頃からブラッシングを習慣にして、予防してあげることが一番大切ですよ!
爪を切るタイミングは?
2週間に1回くらいの頻度で、定期的にチェックできたら理想的。
よくお散歩をしている子は地面で爪が削れるので、生活スタイルに応じて、チェックのタイミングを見つけてみてください。
ただし、親指の爪(狼爪)だけは、地面に接しないので、よくお散歩をしている子も切る必要があります。
長さの目安は、四肢で立ったときに爪の先が床につかない程度。フローリングを歩くときにカチカチ音がしたり、カーペットに爪が引っかかるようであれば、爪切りのタイミングといえるでしょう。
爪を切る前に
押さえておきたいポイント
ワンちゃんの爪には途中まで血管が通っています。白い爪は、よく見ると血管が透けてピンク色になっているのが分かります。切って良いのは、血管の手前まで。
切りすぎると出血してしまいますし、ワンちゃんも痛みを感じるので気をつけましょう。
爪切りのやり方
~準備編~
爪を切りやすい体勢になる
ワンちゃんが立っている状態で足を前後に上げて切るのが基本です。小型犬の場合は、座った膝の上にワンちゃんをあおむけで寝かせる体勢も安定します。
足を上げて切る場合、バランスが不安定にならないよう足の持ち上げすぎに注意してください。
POINT
爪切りを持つ手元に、ワンちゃんの顔が近づかないようにしてください。肘で優しく固定するなど、安全な体勢で保定しましょう。
爪切りのやり方
~実践編~
STEP 1
爪の付け根を
優しく押さえて爪を出す
足を持ち、爪の付け根をそっと押さえて爪をしっかりと出します。毛足の長いワンちゃんは、爪切りに毛が挟まったり絡んだりしないよう、爪周りの毛もかき分けておきましょう。
STEP 2
奥まで挟まず
小さくつかんで角を落とす
爪を切る衝撃は、ワンちゃんにとっては嫌なもの。1回で短く切ろうとせず、爪の先端を少しだけ挟んで角を切り落としていきます。爪の両端の角が丸くなるよう数回に分けて少しずつ、面取りをするようなイメージです。
STEP 3
やすりで仕上げる
すべての爪を切り終えたら、切った断面がなめらかになるよう、仕上げにやすりをかけましょう。やすりをかけるときは、爪がグラグラしないよう、しっかり爪の付け根を持って固定します。
黒い爪の爪切りは難易度“高”!
黒い爪はピンク色の血管が見えないので、白い爪よりも難易度が高め。不安があれば、やすりをかける程度にとどめておき、爪切りはプロにお願いするのが良いでしょう。
爪切りのポイント
血管が分からなかったり、伸び具合や切りすぎに不安を感じたりするようであれば、頻度を上げてこまめに少しずつ切り、適切な長さを保ち続ける、というのも一つの手です。
でも、1番は無理しないこと!
爪切りQ&A
血が出てしまったら?
清潔なティッシュやコットンを当てて止血を
1~2分圧迫していれば通常は止まります。止血剤を使用すると、もっと早く血を止めることができます。
どうしても嫌がります……。
無理せずかかりつけの病院へ
嫌がるワンちゃんを無理に押さえつけると信頼関係を失うことに。無理せず動物病院で相談しましょう。
ポイントを押さえることで、日々のちょっとしたお手入れの積み重ねが
ワンちゃんの健康を守ることにつながります。スキンシップも兼ねたお手入れで、
ワンちゃんと触れ合う習慣が作れるといいですね!