Contentsお役立ち情報

愛犬・愛猫を虫刺されから守るには?

特集/Pickup

愛犬・愛猫を虫刺されから守るには?ダニ・蚊・ノミによる病気と予防法
暖かくなってくると発生する害虫たち。実は、ダニ・ノミ・蚊などは人間だけでなくペットにも害を及ぼします。恐ろしい病原菌や原虫(げんちゅう)を体内に持っている害虫もいて、甘く見ていると大変な病気にかかることも。
ここでは、虫の害による病気の種類や予防策、対策グッズ、害虫予防に関するよくある質問などについて解説します。(最終更新日2024年2月16日)

目次

ダニによる病気の種類

ダニによって引き起こされる病気にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、代表的な6つの病気について解説します。

 

バベシア病

犬の体内にバベシアという原虫を持つマダニによって引き起こされる血液の病気。貧血、発熱、食欲不振、黄疸(おうだん)のほか、血液中の赤血球が破壊されて中の色素が溶け出してしまう血色素尿などの症状があり、死に至ることもある。

発症対象:犬

 

ヘモバルトネラ症

猫の赤血球にヘモバルトネラという微生物が寄生する病気。ノミやマダニなどが媒介する他、咬傷(こうしょう)などでも感染する可能性がある。貧血、発熱、元気喪失などの症状があり、死に至ることもある。

発症対象:猫

 

炎症性肉芽腫

マダニに喰われたところが腫れて起こる炎症。喰いついたマダニを無理に取ろうとすると、化膿したり牙がペットの体内に残って炎症を引き起こしたりする。

発症対象:犬/猫

 

耳ヒゼンダニによる外耳炎

通称耳ダニと呼ばれる耳ヒゼンダニがペットの耳につく病気。痒(かゆ)みを伴い、外耳炎などを引き起こす。接触感染をさけることが予防につながる。

発症対象:犬/猫

 

犬疥癬・猫疥癬

穿孔(せんこう)ヒゼンダニによって引き起こされる皮膚炎。この病気にかかっている皮膚炎のペットと接触することで感染する。接触感染をさけることが予防につながる。

発症対象:犬/猫

 

ニキビダニ症

アカラスとも呼ばれる毛包(もうほう)虫類ニキビダニが原因で起こる皮膚炎。体の免疫力が低下すると増える。犬に多い病気だが、猫での症例もある。接触感染をさけることが予防につながる。

発症対象:犬/猫(まれに)

ノミによる病気の種類

ノミによって引き起こされる病気にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、代表的な3つの病気について解説します。

 

ノミアレルギー皮膚炎

ノミのヨダレがペットの体に付くことによって起こる、アレルギー性の皮膚炎。痒(かゆ)みを伴うほか、脱毛を引き起こす場合もある。

発症対象:犬/猫

 

瓜実条虫(サナダムシ)

サナダムシの卵を持ったノミをペットが飲み込んでしまうことにより、体内でサナダムシが成長する病気。自分の体をなめる時などに、ノミが体内に入ることが多い。

発症対象:犬/猫

 

ノミ刺咬症

ノミに血を吸われることで、蚊に刺された時と同じような小さな湿疹ができる症状。背中に出ることが多く、痒(かゆ)みを伴う。

発症対象:犬/猫

マダニやノミの見つけ方、病気にならないための予防策とは?

マダニやノミの害からペットを守るためには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。ここでは、ペットの体に付いたマダニやノミの見つけ方と、病気にならないための予防策について説明します。

 

ノミの付きやすい部分に黒い砂のようなものが付いていないか確認することが大切

実際に見つけられるノミやダニは氷山の一角で、その何十倍かの卵や幼虫がそのペットに潜んでいると考えられます。
右記の図の「ノミの付きやすい部分」の地肌を見てください。黒い砂のようなものがあれば、濡れたコットンで押さえてみましょう。赤茶色になったら、それは「ノミの糞」。ペットにノミが住みついている証拠です。また、マダニは野山や川辺などにいます。ペットに喰いつくと膨(ふく)れ、小豆(あずき)大のホクロのようになり離れません。動物病院で除去してもらいましょう。

 

定期的に予防薬を使い、外出後はコームで除去を!

ペットをマダニやノミの病気から守りたいなら、予防薬(医薬品)の使用がオススメです。予防薬は、スポットタイプ、首輪タイプ、スプレータイプ、飲み薬などが出ていますので、獣医師に相談して使用してください。
さらに外出後は、ノミ取りコームなどでその日についた害虫やゴミを除去すると効果的。通常、ノミやダニは動きが早く、なかなか捕らえられません。
しかし、全身にいきわたる薬を使っていれば、ペットの体についたとしても徐々に弱ってくるので取り除くことができます。

ペティオおすすめのノミ・ダニ対策商品

蚊によって引き起こされる病気と予防策

蚊によって引き起こされる病気には、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、蚊によって引き起こされる代表的な病気であるフィラリア症とその予防策について、解説します。

 

蚊による病気「フィラリア症(犬糸状虫症)」とは?

ペットが、体内にミクロフィラリアを持つ蚊に刺された際、ペットの体内にフィラリアの幼虫が入り、それが血管で育つことで発症する病気。初期は「元気がない」「咳が出る」「呼吸が苦しそう」「食欲がない」などの風邪に似た症状だけなので、発見が遅れるケースも多い。心臓や肺の血管などに寄生した場合、放置すると死に至る可能性も高い。猫でも症例がある。

発症対象:犬/猫 危険

 

蚊の幼虫を薬で駆除してフィラリア症を予防

フィラリア症は治療が必要ですが、発症前の幼虫の段階なら、駆除(くじょ)する薬を定期的に投与することで予防できます。予防薬には、チュアブルタイプ(フードタイプ)、粉薬、錠剤、スポットタイプ、注射などがあり、いずれも獣医師の指示が必要なので従ってください。
チュアブルや錠剤などの飲み薬は、蚊を見かけてから1カ月後から毎月1度飲ませ、蚊を見かけなくなってから1カ月後まで必要です。
ただし、すでに体内に成虫がいる場合に飲ませると危険なので、必ず獣医師に相談を。

害虫予防に関するQ&A

ペットの害虫予防に関するよくある質問について、それぞれ解説していきます。ペットを飼いはじめて間もない飼い主さんなど、ペットの害虫予防に関する知識があまりない方は、必ず確認しておきましょう。

 

犬や猫も、蚊に刺されるとやっぱりかゆいの?

人間と同じ感覚ではないかもしれませんが、やはりかゆみを感じています。もちろん、蚊以外の害虫も同じです。例えばペットの口が届くところを刺された場合は、噛んだりなめたりして、気にしていることがあります。また、足を伸ばして直接掻くことも。そういうしぐさを見つけたら、動物病院に行くなど、きちんと対処してあげましょう。

 

対策をしておかないと、命にも関わるってホント?

本当です。虫が媒介する病気の中には、前もって対処しておかないと、最悪の場合ペットの命を奪うものがあります。特に蚊が媒介するフィラリア症、マダニが媒介する犬バベシア症、ノミやマダニが媒介するヘモバルトネラ症は注意が必要です。万全の予防対策をし、もし病気になった場合でも早めに対処できるよう、常にペットの様子をチェックするようにしましょう。

 

害虫に狙われやすいタイプってあるの?

長毛種は、皮膚が覆(おお)われているので蚊が刺しにくいかもしれませんが、反対にノミやダニを見つけにくい面も。毛質よりも、皮膚呼吸の激しい犬や猫、つまり二酸化炭素を多く放出しているタイプが狙われやすいですね。同じ公園で遊んでいても、うちの犬だけ喰われるなんてこともあるかもしれません。帰宅時には、グルーミングをして確認するようにしましょう。

予防薬を使っていても喰われることはあるの?

残念ながらあります。ノミやマダニの予防薬に多いスポットタイプは、ペットの体に付着してから半日~1日で駆除しますが、薬が効くまでに喰いつくくらい強いノミやマダニもいます。アウトドアなど、ノミやダニの多いところに出かけた時は、予防薬をしていても体についていないかチェックして、付いていたらノミ取りコームなどで取り除いてあげましょう。

獣医師からのアドバイス

ダニ・ノミ・蚊は、皮膚炎の原因になるなど、それ自体もペットの健康を害しますが、それぞれ寄生虫の卵や原虫などを持っていることがあり、ペットの体内まで蝕(むしば)む可能性があるんですよ。大切なペットの命を守りたいのなら、しっかりと予防対策をしましょう。「うちのペットに限って」と甘く見てはいけません。ノミが一匹いただけで、かかる病気もあります。また、被毛や皮膚に害虫が寄生しているペットと接触することによって、他の犬や猫に病気がうつることもあるので注意してください。痒(かゆ)がる、舐(なめ)ている、皮膚の異常が見られたら、まずは獣医師に診てもらいましょう。健康な状態なら、指示に従って予防薬を使ってください。また、フィラリアのように血液中に寄生してしまうと、見かけだけでは判断できません。病気が進行して手遅れという場合もあるので、毎年きちんと検査を受けましょう。

監修

たかやまペットクリニック院長 高山孝博先生


家族の大切な一員であるペットのためのホームドクター。来院が不可能なペットには往診などもおこなっている。

たかやまペットクリニック
大阪市生野区林寺2-17-15
TEL 06-6711-5615
http://www.e-animals-net.com/takayama/takayama.html

よくある質問
犬や猫の虫刺されQ&A

犬や猫をマダニやノミから守る予防対策は?
ペットをマダニやノミの病気から守りたいなら、予防薬(医薬品)の使用がオススメです。予防薬は、スポットタイプ、首輪タイプ、スプレータイプ、飲み薬などが出ていますので、獣医師に相談して使用してください。さらに外出後は、ノミ取りコームなどでその日についた害虫やゴミを除去すると効果的です。


「フィラリア症(犬糸状虫症)」とはどんな病気?
ペットが、体内にミクロフィラリアを持つ蚊に刺された際、ペットの体内にフィラリアの幼虫が入り、それが血管で育つことで発症する病気です。初期は風邪に似た症状だけなので、発見が遅れるケースも多いですが、心臓や肺の血管などに寄生した場合、放置すると死に至る可能性も高く、猫でも症例がある病気です。