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ペットの耳の基礎知識

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犬や猫の耳が臭い?ペットの耳の基礎知識とチェックポイント
今回はペットの耳とその周りについてクローズアップ。耳の基本的な知識をはじめ、自宅で簡単にできる耳の洗浄方法なども解説します。あなたのペットの耳も健康か、ぜひチェックしてみてください。(最終更新日2023年3月10日)

目次

ペットの耳の健康状態は?こんな症状が出ていたら要注意

下記のポイントの中でひとつでも該当するものがあれば、病気の兆候かもしれません。飼い主さんが常に気をつけて、早期発見につとめましょう。

 

耳アカが多く出る

黒い耳アカが出ている場合は、犬や猫の耳に寄生するダニである耳ヒゼンダニか、真菌(カビ)の一種のマラセチアに寄生されている可能性があります。また、緑膿菌の場合は、緑や黄色いものが出てくるので、日頃から確認しましょう。なお、緑膿菌に感染すると外耳炎は非常に治りにくいことが多いため、できるだけ感染しないよう注意が必要です。

 

耳からにおいがする

耳から悪臭がするのは、細菌などが耳の中で繁殖している場合があります。健康な状態のにおいと違っていたら注意が必要です。

 

頭をよく振る

耳の中で異常が起こっている可能性があります。犬や猫の外耳道は、外からは見えない部分もあり、そこに何らかの異常があるかもしれません。

 

耳の周囲をよく掻く

耳がかゆいということは、外耳炎もしくは、犬の皮膚に感染するかゆみをともなう皮膚病である犬疥癬(かいせん)、猫の皮膚に感染するかゆみをともなう皮膚病である猫疥癬(かいせん)などの病気の可能性があります。疥癬は、他の場所にも広がるので、早めの治療が大切です。

 

耳の周囲から毛が抜ける

アレルギーやアトピーの可能性もありますし、細菌などの繁殖によるかゆみなどが原因で掻いた結果、毛が抜けたことなども考えられます。

 

耳を触ろうとすると嫌がる

なんらかの病気で耳が痛い可能性があります。ただし、健康な状態の時に、耳を触ることに慣れさせていないと、判断できないので注意しましょう。

犬や猫の耳のしくみ

犬や猫の耳は、具体的にどのような仕組みになっているのでしょうか。ここでは、犬や猫の耳において特に大切な機能をもつ2つの箇所の名称とその役割について説明します。

 

耳介(じかい)

一般的に「耳」もしくは「耳たぶ」と呼ばれている頭の外にある目に見える部分が耳介です。軟骨と皮膚から成り立っていて、集音器の役割をしています。音のする方に動かすことができるのが特徴です。

 

外耳道(がいじどう)

耳の穴と呼ばれる部分。穴の入口から、鼓膜までの道が外耳道です。人間の場合は、入口から鼓膜までがほぼ水平にあり、外耳道も短くまっすぐですが、犬や猫は、まず下に向かって伸びる垂直耳道があり、その後曲がって水平耳道につながります。

おうちでできる耳の洗浄方法:自宅でも定期的に愛犬の耳を洗浄しよう!

犬の病気で特に多いのが、細菌やアレルギーが原因と考えられる「外耳炎」。細菌の繁殖を抑えるために、週に1回程度の耳の洗浄がオススメです。

※洗浄液は動物病院などで購入できます。 ※猫は細菌による外耳炎の例が少ないので、定期的な洗浄は必要ありません。もし異常を感じたら、すぐに動物病院で受診しましょう。

耳の洗浄方法を教えてくださった先生:動物看護師 木下菜穂子さん

ペットの耳に関するよくあるQ&A

ペットの耳に関するよくある質問について、それぞれ解説していきます。ペットを飼いはじめて間もない飼い主さんなど、ペットの耳に関する知識があまりない方は、必ず確認しておきましょう。

 

犬や猫の聴力はどれくらいなの?

低い音に対しては人間も犬も猫も同じぐらいですが、高い音の聴力は随分違います。
人は約2万ヘルツまでしか聞き取れないのに対し、犬は約4万ヘルツ。
なんと猫は約10万ヘルツまでの聴力。
さらに猫は、音源の位置を瞬時につかむ能力もあるようです。

 

耳からくさいニオイがするのは病気なの?

炎症などの病気になっている可能性が高いですね。
においだけでなく耳の中をよく見て、異常がないか確認を。
ただし、クサイというのは主観的なもの。
健康な状態のペットの耳のにおいを事前に確認しておき、それと比べて判断しましょう。

 

犬が救急車のサイレンで遠吠えするのはなぜ?

犬は「聴覚」と「嗅覚」にすぐれ、周囲の情報を知るための情報源にしています。
サイレンの音は、仲間の遠吠えに似ており、その音に反応して返事をしていると考えられます。
その音が自分へのメッセージだと思う犬もいれば、思わない犬もいます。

 

耳の動きで感情がわかるってホント?

本当です。犬も猫も気になる音を聞くために耳を動かす場合と、自分の感情から耳の位置を変える場合があります。
例えば、うれしい時は耳が前を向きますが、恐怖を感じている時などは後ろの方で耳をたたみます。ただ、感情は他の部分も見て判断をしましょう。

 

垂れ耳と立ち耳では何が違うの?

基本的な耳の機能には変わりありませんが、垂れ耳の場合は、耳に蓋(ふた)をしているような状態になるので、耳の中の湿度が高くなりがちです。
湿度が高いと、細菌などが繁殖しやすくなります。
常に気をつけ、清潔な状態を保てるようにケアしましょう。

獣医師からのアドバイス:耳の病気は放っておくと悪化するので、早めに対処しましょう。

一般的に外耳炎といっても「外耳道への細菌や真菌の感染」「耳ダニなどの寄生」などその原因はさまざまです。その中で、最近よく見かけるのが「食事性のアレルギー」や、「お家のホコリの中のダニが原因となるアトピー」などの基礎疾患を持っている外耳炎です。これらが原因となっている場合は、普段食べている食事やおやつの変更、アレルギーに対する処置を行わないと再発を繰り返す可能性があるので注意が必要です。また、犬疥癬、猫疥癬、耳ヒゼンダニは、激しいかゆみを伴います。どれも、犬や猫が自分の耳を掻いて傷つけてしまうと、さらに悪化させる危険があるので、早めに治療しましょう。

監修

泉南動物病院院長 横井慎一先生


皮膚科、整形外科、循環器など、各獣医師が専門性を持って、チームで治療を行う動物の総合病院。

泉南動物病院
大阪府泉南郡熊取町野田3-2297-1
TEL 072-453-0298
https://www.sennan-ah.com/

よくある質問
犬や猫の耳ケアQ&A

犬や猫の耳の健康をチェックする方法は?
耳アカが多く出る、耳からにおいがする、頭をよく振る、耳の周囲をよく掻く、耳の周囲から毛が抜ける、耳を触ろうとすると嫌がるなどの症状があれば、病気の兆候の可能性があります。飼い主さんが常に気をつけて、早期発見につとめましょう。


犬や猫は耳洗浄をした方が良い?
犬の病気で特に多いのが、細菌やアレルギーが原因と考えられる「外耳炎」ですので、細菌の繁殖を抑えるために、週に1回程度の耳の洗浄をするのがオススメです。 猫は細菌による外耳炎の例が少ないので、定期的な洗浄は必要ありません。もし異常を感じたら、すぐに動物病院で受診しましょう。